Unfortunate Ikaros/天馬司 ページ1
きっちり九十度で折られた腰に、まっすぐ伸びた右腕。完璧な姿勢に、紡がれる言葉。
「A、好きだ！！オレと付き合ってください！！」
一音一音がはっきりとしているストレートな声。彼のあまりにも大胆な告白に、私は。
「ごめんなさい」
そう、返した。
数秒間沈黙が流れたあと、伏せられていた彼の顔がぱっとあがる。
その顔はステージの上で見える表情とは程遠く、無理やり笑顔を作っている(表情が硬いといえば伝わるだろうか)のが丸分かりで、見ているだけで心が痛くなった。
「…そうか！ならば、仕方がないな」
私は私の感情を隠しきれず、眉が歪み歯を食いしばっていた。
きっとこの表情をするのは彼であるべきで、だというのに彼を傷つけた私がこんな顔をしていいはずがない。分かっていたけれど、それでも表情を取り繕うことができなかった。
「ごめんなさい。私は、私も、司さんが好きです」
「ああ」
「好きな、はずです」
「…ああ」
罪悪感がじんわりと心に沁み込んでいく。
涙が出そうになって、彼の前なのでなんとかこらえる。
そんな私を見かねて彼がハンカチを手に持つから、とうとうこらえきれなくなってぼろぼろ泣きだしてしまった。ハンカチのやんわりとした感覚と、彼の優しさが、申し訳ないと同時に嬉しい。自分が酷く惨めだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あきまる(プロフ) - ょむむむさん» コメントありがとうございます！このえななんは私も気に入ってます💕💕 (9月20日 20時) (
レス) id: ed0e33f0ac (このIDを非表示/違反報告)
ょむむむ - えななんが最高にえななんらしくて好き！！かわいい💕更新頑張ってください！ (9月20日 20時) (レス) id: 946b79f9ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
