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食堂の管理者は数年前に退役した方らしく、励ましの言葉をたくさん貰いながら、無事にすべて荷台に積み終えた。
｢帰り道大変だろうけど頑張ってね｣
｢ありがとうございます！｣
『ありがとうございます！』
｢そうだ、あっちに団長たちがいらっしゃるから挨拶していきなさいね｣
お礼を重ね、管理人さんと別れたあと
言われた通りテーブルがあるほうへ向かうと
エルヴィン団長、ミケ分隊長、ハンジ分隊長、リヴァイ兵長……
同期に教えこまれた そうそうたるメンバーが机を囲んでいて思わず息を飲んだ。
｢お疲れ様です！｣
『お疲れ様です！』
アルミンと並んで敬礼…心臓を捧げると
｢お〜訓練兵か！手違いで面倒なことになってすまないね。お疲れ様｣
『は、ハンジ分隊長！とんでもございません』
｢なになに、私たちのこと知ってくれてんの〜？嬉しいねえ！｣
噂通り飄々とした様子でわたしたちみたいな訓練兵に
労いの言葉をくださった。
何か会議でもしていたのか、ハンジ分隊長が離脱したことによって他の3人もわたしたちに視線を移していた。
それから、その中の蒼眼と目が合った。
(エルヴィン団長と目が……)
それだけで固まってしまうくらい、エルヴィン団長というのは大きな存在だと誰かが言っていた。
｢…オイてめぇら…いつまでそこに突っ立っているつもりだ｣
それも束の間、小さく響いた低音でとんでもない速度の圧が飛んできた。
｢し、失礼致しました！｣
人類最強とか謳われているリヴァイ兵長だ。
話しているところは初めて見たけど、上官とは思えないくらい口が…
｢わかったならさっさと戻れ…寮じゃなくて開拓地に帰してやってもいいが｣
｢リヴァイは本当に相手を選ばないね〜！将来君の部下になるかもしれないんだよ？｣
｢こんなに察しの悪ぃガキはいらねえ｣
｢ごめんね君たち〜！悪気があるわけじゃないんだよ！｣
『い、いえ！お邪魔してしまい申し訳ございませんでした！失礼します！』
アルミンと急いで食堂を出ようとすると
｢君｣
と団長に呼び止められた。
『わたし…ですか？』
なにか粗相をしてしまったのかと内心冷や汗をかきつつ向き直すと、エルヴィン団長はしばらくわたしの目を見つめ
｢…いや、すまない。ご苦労だった｣
とだけ言った。
はてなマークが浮かぶ隙も与えずアルミンに腕を引っ張られて食堂をあとにした。
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作者名：餃子 | 作成日時：2021年5月23日 4時
