きみに花束は渡せない【進撃の巨人】 (ページ22)

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｢ただいまより、第104期訓練兵団の入団式を行う！｣

｢私が運悪く貴様らを監督することになったキース・シャーディスだ｣

雲ひとつない青空と、容赦ない日差し。

そして容赦なくその光が教官の頭に反射して眩しい。

わたしたちはついに訓練兵になった。

｢貴様らを歓迎する気は毛頭ない！今の貴様らはせいぜい巨人のエサになるしかないただの家畜！家畜以下の存在だ！そんなクソの役にも立たん貴様らを我々が3年かけて鍛え上げる！巨人と闘う術を叩き込んでやる！｣

いつかエレンが言っていたことと重なる。

彼は本当にここに入るべくして入ったのでないだろうか。

｢3年後、貴様らが巨人の前に立った時！ただのエサかあるいは王を守る名誉ある壁となるか！または巨人を駆逐する栄光ある人類の兵士か貴様らが決めろ！｣

(もう3人を悲しませない…そのためならエサでも壁でもなんにでもなってやる…)

キース教官が降壇し、閉式かと思いきや

その足で1番前の隊列…それも1番右端の人の前に立ち止まった。

そして

｢おい貴様！｣

｢ハッ！｣

｢貴様は何者だ！｣

と大声でほとんど罵倒のような質疑応答が始まった。

｢あれが通過儀礼か…｣

ぼそっと隣の子が呟いたので

ふーんと心の中で返事だけした。