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｢な、なんだ？！｣
｢爆発か？！｣
体験したことのない衝撃に思わずミカサの服を掴んでいた。
街の人はみな一点に視線を奪われていた。
それからアルミンは突然そちらに向けて走り出してしまった。
｢おいアルミン！｣
エレンがそう言って後を追うと、ミカサはわたしをゆっくりと抱き起こし手を繋ぎ、その後を追うように走り出した。
角を曲がるとアルミンは呆然と立ちすくんでいた。
｢どうした！一体何が見えるってんだよ！｣
再び響き渡る………壁が破壊される音。
｢そんな…あの壁は………………ご、50mだぞ……｣
その視線の先にあるものが、わたしには瞬時に理解できなかった。
｢……………ヤツだ｣
｢…巨人だ｣
｢あ、ありえない………巨人は最大でも15mのはず…！50mの壁から顔を出すなんて───･･･｣
信じ難いアルミンの言葉は、とんでもない爆風と壁が破壊される音に遮られた。
そうだ
壁が、破壊されたのだ。
次々と降り注ぐ破片は家を破壊し、道を塞いでいく。
ただ見つめることしか出来ないわたしを現実に呼び戻したのはアルミンの声だった。
｢に、逃げるぞ3人とも！早くしないと次々と巨人が入ってくる！｣
そうだ…逃げなきゃ
振り返るとエレンは逃げ惑う人々に逆らって走り始めていた。
｢壁の破片が飛んでった先に
｢…っ！｣
さらにそれを追ってミカサまで行ってしまった。
『ア、アルミン……』
｢もう…ダメなんだ……この街は…もう………｣
────無数の巨人に占領される！！！！
そうだ……先生は…先生はまだ内地にいるだろうか。
もしもうこっちに戻ってきていたら…
破片に潰された人を見て焦りと震えが止まらなくなる。
『し、診療所ってどっちにあるんだっけ』
｢A？！何しに行くんだ！｣
『先生が無事か知りたいだけ！』
｢どの先生かわからないけど今は行くべきじゃないよ！｣
アルミンは震えた手で、同じように震えているわたしの腕を掴んだ。
『アルミン…お願い…』
｢A…｣
少し力が緩んだ。
でも、大きくまばたきをしたアルミンは目付きが変わって
｢…だめだ！ハンネスさんにエレンたちを助けに行ってもらう。これ以外のことをしたら僕たちの命も危ないと思うんだ！｣
『ハンネス…さん？』
｢行こうA！｣
わたしの腕を強く握り直して走り出した。
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作者名：餃子 | 作成日時：2021年5月23日 4時
