変化 ページ38
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夕方の、色鮮やかな煌めきを浴びながら
すいすいと走る車。
「んね、そのアイスちょっとちょーだい」
「え…さっき先生も食べてたじゃないですか」
「だって食べてしまったんだもん」
"もん"って…
授業中は、割と一貫してクールなのに
田中先生や…わたしといるとき、子どもっぽくなるのが好き。
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「わあ…綺麗、」
松村先生が、海沿いに車を止めた。
「本当は車降りたほうが綺麗なんだけど、さすがに病人を連れ出すわけにはいかないからね、」
はにかんで言った松村先生が、
わたしの頭に手のひらを置いて弾ませた。
誰かと来たことあるのかな。
少し切なくなったけれど、今松村先生と一緒にいるのはわたしだ。
生徒と教師の恋が、簡単に叶うなんてフィクションの中だけの話。
ふたりで見つめる夕焼け。
このまま、太陽が永遠に沈まなかったらいいのに。
終わらないで、この時間。
少し開けた車の窓から忍び込む、秋の風。
混ざった金木犀の香りが、胸をくすぐる。
卒業まで、あと半年。
「ねえ、モモちゃん」
「はい」
「あんま、心配させないでよ?」
振り返って、困ったように「ね?」と言う松村先生に、何も言えなかった。
変わったことといえば、
先生がそっけなくなった。
キス、してくれなくなった。
ちょっと仲のいい、生徒と教師の関係。
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つき(プロフ) - たかっち(葉月)さん» ありがとうございます〜〜!!( ; ; )ドキドキしてくださってるなんて、とてもうれしいコメント…お待たせしていて申し訳ないですがどうぞこれからもよろしくお願いします (2021年2月11日 2時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
たかっち(葉月)(プロフ) - とてもドキドキしています。久しぶりにこちらのサイトで目に止まったのがこちらの作品でした。上手く言えませんが、とにかくすごくドキドキしちゃってます!北斗担なので、余計かな・・・笑更新心待ちにしています (2021年2月6日 16時) (レス) id: 2cfc0e60bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2021年1月25日 0時