保健室にて (7/24) ページ33
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「竹下せんせー……あれ?いないな、」
抱き抱えられているせいで、
田中先生の薄い胸に、耳がぴったりくっついて
先生の声が、体にズンズン響く。
保健室は、養護教諭の竹下先生もいなくて
窓から入ってくる風が、白いカーテンの布をただ揺らしていた。
「…とりあえず、降ろすな?」と
ベッドにそっと下ろしてくれた。
こんな経験はじめてで、
ドキドキが抑えきれなくて
変に動揺してしまう。
だから
「うおっ、」
へ、
私の顔の横に手をつき、
覆い被さるような、田中先生の匂い。
わたしか、田中先生どちらかが
バランスを崩して、
ベッドが微かに音を立てた。
「ごめんな、」
田中先生は、いつも通り眉を下げて笑った。
「大丈夫か?」と乱れた前髪を整えてくれた。
田中先生は、王子様みたいだった。
…うん、あんなにモテる理由がわかる。
学校中で、
椅子が動く音が聞こえてすぐに
チャイムがなった。
田中先生が、
「授業…終わっちゃったな、」
と頭のうしろをかきながら、柔らかく目を細めて笑った。
「桃瀬の担任って森先生だよな?」
「はい」
「じゃ、森先生を呼びに…」
と立って歩き始めた田中先生が立ち止まって
「ああっ!!ああー、、」とうなだれる。
「急にどうしたんですか…」
「森先生、子どもが熱出したとか言って今日帰っちゃったわ、どうしよ…」
と私をじーっと見つめるから、私もじーっと見つめる。
パチパチ、まばたき4回。
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つき(プロフ) - たかっち(葉月)さん» ありがとうございます〜〜!!( ; ; )ドキドキしてくださってるなんて、とてもうれしいコメント…お待たせしていて申し訳ないですがどうぞこれからもよろしくお願いします (2021年2月11日 2時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
たかっち(葉月)(プロフ) - とてもドキドキしています。久しぶりにこちらのサイトで目に止まったのがこちらの作品でした。上手く言えませんが、とにかくすごくドキドキしちゃってます!北斗担なので、余計かな・・・笑更新心待ちにしています (2021年2月6日 16時) (レス) id: 2cfc0e60bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2021年1月25日 0時