水の中 (5/6) ページ22
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ふわふわ水の中に浮かんで
足がつかない感覚。
唇と唇が合わさったのは一瞬だった。
わたしのファーストキス。
やわらかいんだ、あたたかいんだ、って
頭の中は混乱。いそがしい。
「ん、、ねえ、ももちゃん」
先生のいつもより低く、ささやくような声。
「はい、」
必死の思いで返事をしたわたしの声はかすれていた。
そんなわたしを少し息で笑って
「ももちゃんさ、俺のこと、好きでしょ、」
「好きでしょ?」って聞くんじゃなくて
「好きでしょ、」っていう半分断定。
「す、きです」
恐る恐る声に出してしまうと、
途端に目の前がぼんやりして
「…泣かないの」
目を細めて笑う先生に、目元を拭われた。
好き、をあらわにしたことで
距離を置かれてしまうのが怖かった。
「教師に恋するなんて、バカらしいよな」と言っていた先生の顔と声は、嫌ってほど鮮明に思い出せる。
なのに、今目の前にいる先生は、
とろけた顔をしていて、まるで夢の中。
わたしが何も口に出せずにぼーっとしていると、
そのまま、頬を親指でするすると撫でて
「俺たちだけの秘密だよ」とふんわり笑う。
大人の男の人。
憧れの人。
この人に、全て捧げたっていいと、
この時に強く思った。
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つき(プロフ) - たかっち(葉月)さん» ありがとうございます〜〜!!( ; ; )ドキドキしてくださってるなんて、とてもうれしいコメント…お待たせしていて申し訳ないですがどうぞこれからもよろしくお願いします (2021年2月11日 2時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
たかっち(葉月)(プロフ) - とてもドキドキしています。久しぶりにこちらのサイトで目に止まったのがこちらの作品でした。上手く言えませんが、とにかくすごくドキドキしちゃってます!北斗担なので、余計かな・・・笑更新心待ちにしています (2021年2月6日 16時) (レス) id: 2cfc0e60bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つき | 作成日時:2021年1月25日 0時