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質問 ページ3

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現代文は、
他の教科と違って


質問するようなところなんて滅多にないのに
松村先生と少しでも一緒にいたいという

不純な動機で
休日の学習会で、質問カードの先生を記入する欄に

「松村先生」と書いた。



いつもは意識しないのに、なぜか緊張して
4回、書き直した。




いつ来るんだろう、

本当に松村先生は来るんだろうか。


ドキドキして、まったく集中できなくて
単語を覚えようとしても頭に入ってこない。



諦めて数学に取り掛かると、
単純な計算問題だから
楽しくて、気付かぬうちに夢中になってた。




ふと、私の横に人影。

見上げると、松村先生。


先生が私の机に、すっと置いた質問カードに
「職員室で教えます」と先生の字で書き加えられていた。




しんとした廊下。
遠くで他の先生が、他の子に教える声が聞こえる。

「桃瀬」

小さな声で、でもはっきりと私の名前を呼ぶ声。




でも姿が見当たらなくて
きょろきょろしてると


「こっちこっち、」
と困ったように笑いながら駆け寄ってきた。


「あ、すいません」
「んじゃ、行こっか」



松村先生の少しうしろを歩きながら、
好きだなあ、と見ていると

先生がハッとしたように急に振り返った。
「どした?」



「いえ!なんにもないです」

「なんか頭にゴミでもついてるのかと思った」

頭に何かついてることにしていたら、
それを取るっていう口実で

先生の髪に触れられたのだろうか、なんて
少しだけ、後悔。




「そっち座って、」

職員室の真ん中の、大きな机。
職員室の先生たちも、まばらで

まるでふたりきりみたいで
胸が疼くのは当たり前だった。




「よし、やるぞ〜」
と子どもみたいに言って腕まくりをする先生が
かわいくて、思わず笑ってしまう。

「バカにしたでしょ!」
「してないです」

「ほんとか〜?」と言いながら
隣に座った先生は、今までで一番近い距離。


ふわっと香る、いい匂い。
なんの匂いだろう。



柔軟剤?それとも香水?

「先生、いい匂いしますね」
「あ、マジ?たぶん柔軟剤かな」

くんくんと自分の服の袖を嗅ぐ先生は、
いぬみたい。やっぱりわんこだ。



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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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つき(プロフ) - たかっち(葉月)さん» ありがとうございます〜〜!!( ; ; )ドキドキしてくださってるなんて、とてもうれしいコメント…お待たせしていて申し訳ないですがどうぞこれからもよろしくお願いします (2021年2月11日 2時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
たかっち(葉月)(プロフ) - とてもドキドキしています。久しぶりにこちらのサイトで目に止まったのがこちらの作品でした。上手く言えませんが、とにかくすごくドキドキしちゃってます!北斗担なので、余計かな・・・笑更新心待ちにしています (2021年2月6日 16時) (レス) id: 2cfc0e60bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つき | 作成日時:2021年1月25日 0時

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