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黄昏 (2/11) ページ11

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3年生の、女の先輩

2個違うだけで、
ずいぶんと大人に見える。

きっと、それは私が子どもだからだ。





入学してから1年が経とうとしている。


昼休みも、放課後も

私と松村先生だけのものだと思っていた
あの夕焼けも全部



先輩に奪われた。





途端に自信を無くした私は、
本来の部活動の、写真部に専念するようになった。


それでも質問行きたい時は、こっそり
他の先生のところに行ったりして。


もはや、意地だった。





普段から撮ってはいるけれど、
放課後の空いた時間も

写真を撮ってまわった。



わたしはわたしで、
写真部の特権を行使しようと思ったのだ。


大好きな、あの背中も
えりあしも

一歩間違えればストーカーだけど
こっそりバレないように撮っていた。




でも
ほとんどバレていて、

田中先生には
「出た!盗撮部!」なんて言われちゃったりして、ひどい。


でも田中先生も人気で、
みんなに「田中先生撮って!」って頼まれるんだから。








好き、って

写真に表れる。



そこらへんで部活動をしている男子を撮った写真より、松村先生の横顔を撮った写真の方が、ずっといい。




夕方。
渡り廊下から、沈んでいく夕日と
オレンジに溶けていく空を見守っていた。




「たそがれタイム?」
「うあっ、へ、先生」

突然、隣に現れた松村先生に驚いたら
先生は楽しそうに、目を三日月の形にして笑った。


夕暮れに照らされた松村先生の横顔を盗み見て
勝手に胸が苦しくなった。


白ニット着てる。
わたしの好きな、服。

白ニットがこんなに似合う男の人は、
松村先生以外に見たことがない。




「綺麗だな、」
「はい」
「今日も1日がんばったあ」
「お疲れ様です」
「ありがと」


"モモちゃんに会ったら、元気出た"


「いえ、」




3年生の担任をしている松村先生は、きっと忙しい。

卒業式の予行練習、
受け持ちのクラスの生徒の名前を読み上げる先生の声。

いつも、目を閉じて聞き入ってしまう。


すこし掠れていて、色っぽい。
大人の男の人の声。



こっそり、こんなこと考えてるの、知らないんだろうな。




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呼びかた→←ふたりの世界



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設定タグ:SixTONES , 松村北斗   
作品ジャンル:恋愛
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つき(プロフ) - たかっち(葉月)さん» ありがとうございます〜〜!!( ; ; )ドキドキしてくださってるなんて、とてもうれしいコメント…お待たせしていて申し訳ないですがどうぞこれからもよろしくお願いします (2021年2月11日 2時) (レス) id: 7ed4157c8a (このIDを非表示/違反報告)
たかっち(葉月)(プロフ) - とてもドキドキしています。久しぶりにこちらのサイトで目に止まったのがこちらの作品でした。上手く言えませんが、とにかくすごくドキドキしちゃってます!北斗担なので、余計かな・・・笑更新心待ちにしています (2021年2月6日 16時) (レス) id: 2cfc0e60bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つき | 作成日時:2021年1月25日 0時

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