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ここ数日、彼氏の轟洋介が全く構ってくれない。
というのも、近隣の学校に喧嘩を吹っ掛けられて、今は反撃してる最中なのだとか。仕方ないことなので、別にいいのだが、寂しいなあと思い帰りながら、スマホを取りだして彼とのトーク画面を開いて見つめた。



案の定、何も音沙汰は無く、既読もついていなかった。歩きながら呑気に画面を見つめていると、知らない電話番号から着信があり、恐る恐る電話に出た。



『……もしもし』


「あ、Aちゃん?俺、小田島有剣。今どこ?」



電話の主は洋介と仲の良い小田島さん。電話してくるなんて珍しい。まずは用件を聞くことにした。



『小田島さん…!?えっと、今帰ってる最中で、まだ学校の近くですよ』


「ちょっと、迎え行くから校門付近で待っててくれる?」


『?……はい、分かりました』



洋介が小田島さんにまた送迎を頼んだのだろうか。また過保護が発動している。
そのまま来た道を戻り校門付近で数分待っていると、息を切らせて小田島さんがやって来た。そんなに急いできてくれたのだろうか、何だか申し訳ない。



「Aちゃん、お待たせ。落ち着いて聞いて欲しいんだけど、轟ちゃんが病院に運ばれた」


『______え?』



彼から出てきた言葉に思わず耳を疑った。洋介は相当強いし、今までも何人も返り討ちにしてきたくらいなのに。病院に……?



「命に別状は無いから安心して。でも、いつもより重傷で、ICUで今治療されてるとこ」


『そう、ですか』



命に別状は無いとの言葉に一安心するものの、ICUに運ばれてるのは手酷くやられたということだ。いつものように言葉が出てこない、上手く喋れない。口の中が乾いてきた。

私が動揺しているのを察知した小田島さんは、私を現実に引き戻すように肩を掴み私の顔を覗き込んで話し始めた。



「Aちゃん。今は面会も出来ないから、明日休みだし、俺も付き添うからお見舞いに行こう。落ち着けないだろうけど、深呼吸して。帰ってゆっくり休んで」


『!!……はい、分かりました。ありがとうございます』




彼の声掛けで冷静さを取り戻し、ゆっくりと深呼吸をして心を落ち着かせた。小田島さんは私を家まで送り届けてくれた。帰っている最中は終始無言だった。

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ポウ(プロフ) - とてもキュンキュンして読んでます。早く轟記憶戻って〜。続き楽しみにしてます。 (12月10日 22時) (レス) id: 4b00597d9c (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - にこさん» お待たせしてます…!のんびりペースですが、最後まで描き切ろうと思っているので、お付き合いいただけたらと思います。これからも読んでいただけると嬉しいです。 (12月4日 3時) (レス) id: 09f0b999d7 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - もう続き書きませんか?T ·̫ T (11月13日 0時) (レス) @page6 id: d1b09c5066 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - あさん» ありがとうございます!ゆっくりですが、更新していきますので、これからも読んでいただけると嬉しいです❀ (9月12日 19時) (レス) id: 272227e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです!続きがきになる〜! (9月2日 14時) (レス) id: 0f0ccaba32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:可愛。 | 作成日時:2022年10月28日 2時

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