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08 小田島side ページ9

その日の夜、その女がコンビニに行きたいと言い出した為、辺りも暗くなっているし、仕方なくついて行くことに。途中色々話しをしていたら、数十メートル先から歩いてくる人影があった。隣の女が言うことを話半分に聞きつつ、眼鏡を少しずらして確認する。

ああ……7番目の。ここで変に絡まれると面倒だな、と思いながら気にせず通り過ぎた。



彼女も何も言わずに俺に話し掛けることなく通り過ぎたので、空気の読める女なのだなと、少し振り返り眼鏡を少し下げて確認した。




「ゆーけん、どーしたの?」


「ん、なんでもねぇ。で、買いたいものは?」


「えっとねー」




その後はあの7番目に遭遇することも無く、その日は無事に終わった。


一週間後また、連絡をいれて彼女の家へ向かう。途中で雨が降ってきてずぶ濡れになってしまった。彼女が迎え入れてくれるなり、俺を見て目を見開かせて驚いていた。





『わっ、ずぶ濡れ!……風邪引きますよ、お風呂使ってください』


「じゃ、遠慮なく」




彼女の提案を受け入れて、脱衣場に行きその辺に服を脱ぎ捨ててお風呂に入った。俺が入った数分後に脱衣場に入ってくる足音が聞こえた。濡れていたから替えの服を用意してくれているのだろうか、いやでも彼女が替えの服なんて持っているはずがないだろう。のんびり湯船に浸かった後に脱衣場に出ると、乾いた服と清潔なタオルが置かれていた。


タオルで髪を拭い、タオルドライが済めば脱衣場でそのまま髪を乾かした。雨に打たれたからだろうか、頭もくらくらしてきた。脱衣場を出てリビングに戻り、寝室に直行する。ふらふらするし、熱い。そしてベッドにそのまま倒れ込むように寝転ぶと、彼女がリビングから駆け寄ってきた。





『ごめんなさい、触ります……!……熱い、ちょっと待ってくださいね』




彼女は俺にそういうと、額に手を当てて軽く熱を測るとまたリビングに走って消えていった。ああ、貸しなんて作りたくないのに、失敗した。面倒だ。


彼女は薬と水、熱さまシートを持ちすぐ帰ってくる。俺がうっすらと目を開けると先に熱さまシートを額に貼られる。





『解熱剤用意したので飲んでください、起こしますよ』





そして声を掛けられ、俺が起きるのを支えるようにゆっくり起こしてくれた。解熱剤を飲み、俺が寝るのをまた支えてくれて、俺はそのまま眠りについた。

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設定タグ:ハイアンドロー , 小田島有剣 , HIGH&LOW   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:可愛。 | 作成日時:2022年10月7日 0時

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