06 ページ7
一週間後の土曜日、私は今日友達と急遽遊ぶことになり、家を出た。夕方からと言われたので、そこに行ってみるとなんと合コンだった。友達に詳しく聞くと、人数が足りなくて、でも私は合コンに参加しないからとの事だった。必死に友達が謝るので何も言えず、一回なら良いかと、そのまま参加した。
「へえ、Aちゃんって言うんだ。よろしく、めっちゃ可愛いね。彼氏とか前はいついたの?」
『あ、ありがとうございます。…まだいた事ないんですよね』
「ええ、そうなんだ。可愛いから居るものだと思ってたよ!」
慣れない男性との顔がやや引きつりつつ、ぎこちない会話を続けていく。席移動だったり、目まぐるしく進んでいってとても疲れる。やっと終わったと思ったら、辺りはすっかり暗くなっていて、積極的に話し掛けてくれた男性が送ってくれるということになり、お言葉に甘えて送って貰うことに。
「Aちゃん、良かったらさ、連絡先交換しない?」
『あ、……わかりました。えっと…スマホは……』
スマホを取り出して開こうとすると、背後から手が伸びてきてスマホを奪われた。咄嗟に後ろを振り向くと、一応名目上は彼氏……の小田島さんがいた。目の前の彼も目を丸くして驚いている。
「この子、俺のだから」
『え、あ、ちょっ…!?……っと、何で居るんですか…!?』
そのまま小田島さんに手を引かれて、連れていかれる。呆然としている彼に会釈をして、手を引かれるままについて行った。
「連絡しても全く既読つかないし、無視されるから。……あの男、誰?」
『ああ…スマホ見てなかったので、それはごめんなさい。……友達と急遽遊ぶことになって、行ったら合コンだったんです。彼は私を送ってくれた方です』
「俺いるのに、普通に連絡先交換しようとしてたけど……何で?」
彼から問い詰められて答えるものの、何故彼がこんなことを聞いてくるのか意味がわからない。そもそも彼は私の他にも何人も女性と関係を持っているのに。私は思ったことを彼にそのままぶつけてみる。
『そもそも、小田島さんは私以外にも女性いますよね?私は、ただ連絡先交換しようとしただけです。その先になるつもりも毛頭ありません。あと、何でこんな事聞いてくるんですか?連絡に反応できなくて、ごめんなさい。でも、今日は帰って下さい』
「……そ、じゃ、帰るわ」
何か言いたげだったが、口を噤んで彼は帰って行った。
276人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:可愛。 | 作成日時:2022年10月7日 0時