小田島有剣の7番目の女 (ページ4)

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コンビニまで歩いていき、期間限定の美味しそうなアイスクリームを数個買うと、そのまま家に帰ろうとコンビニを出た。帰り道を歩いていると、数十メートル先に見覚えのある、金髪ハーフアップの彼の姿……その隣には彼と腕を絡ませた綺麗な女性が居た。

分かってはいたが、いざ目の前で見るとなんとも言えない気持ちになった。彼は私のことに気付いているような気がした。そしてすれ違う時は案の定、何も反応は無い。赤の他人の様な振る舞い方だった。私とはそういうことは一切無いが、他の女性とはそういう関係なのだろう。

「ゆーけん、あはは、面白すぎー」

女性の高い声が、すれ違った後に背後から聞こえてきた。私以外だと会話も弾んでいるようで何よりだ。分かってはいるものの、まざまざと見せつけられると辛い物だなと、チクチク胸が痛くなる。……彼に期待するだけ無駄だと、自分に言い聞かせ、好きな曲を鼻で歌いながら、帰った。

そして一週間後、また彼は私の家に来た。勿論、日が暮れていて辺りも暗い。

『わっ、ずぶ濡れ！……風邪引きますよ、お風呂使ってください』

「じゃ、遠慮なく」

今回も淡白なメッセージが来ていた。外は土砂降りで雨も酷かった。ドアを開けると、雨でずぶ濡れの彼が居た。風邪を引くのでと、お風呂をすすめた。そうすれば彼は素直に頷いて風呂場へ直行して行った。その間に濡れていた服を乾燥機にかけて乾かし、タオルと合わせて置いておいた。

彼は30分くらいで出てきて今は髪を乾かしている。風邪を引いてないかなと心配だが、今のところは大丈夫そうだ。髪を乾かし終わった彼は、どこかふらついて、顔も赤く火照り息も荒い感じがした。彼はそのまま私のベッドに倒れるように寝転んだ。

前回来た時に触るなと言われたが今はそう言っている場合では無い。彼に先に謝っておいて、彼の額に手を当てる。彼も言い返す元気がないのかぐったりしていた。

『ごめんなさい、触ります……！……熱い、ちょっと待ってくださいね』

私は彼を看病することに決めた。