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私は小田島有剣の彼女……と名乗ってもいいのだろうか、それを名乗っていいか判断できないほど適当な存在なのだ。一週間前、不良に絡まれているところを助けてくれた____
『あ、助けて頂いてありがとうございます…!』
「ん、いーの。気にしないで」
『あ、あの……お礼させて下さい…!』
「え〜?……じゃあ俺の7番目の女ね」
金髪ハーフアップで青い眼鏡に整った顔、アンニュイな雰囲気そしてスタイルもいい。気だるげで喧嘩なんて縁が無さそうなのに、とても強い。
このギャップにやられない人なんているのだろうか?
私は咄嗟に頷いてしまい、そのまま7番目の女……になってしまった。流れるように連絡先を交換され、そのまま彼はまたね、とひらひらと手を振りながら去っていった。
7番目ということは私より前に6人の女性がいるということになるのだろう。今、私は家に居るのだが、先程彼から連絡を受けた。もうすっかり日が暮れている。
小田島今から家行く
A分かりました
本当に業務連絡並の文章量の少なさ。そして頻度も極わずか。インターホンが鳴り、彼を招き入れた。彼の顔は傷があり、服も乱れていた。
『手当しますよ』
「い〜の、触んないで」
彼は私の提案をやんわりと拒否し、そのままベッドへと転がりこむ。私のベッド……と思わず見つめていると、視線に気づいたのか彼は私の方に向いた。
「別に襲ったりしないって。そーいうのは、他の女で足りてるから」
『いや、そういう……』
「……じゃあ、俺寝るから」
7番目というので分かっていたが、やっぱり他の女性は存在するらしく、人生で一応初めて付き合った男性が真逆他に沢山女がいるなんて。
別にとやかく言うつもりもないし、最初から提示されたことに文句はない。1ヶ月くらいで飽きて捨てられるだろう、不良から助けてもらったし、一週間に一回家に泊めるだけと思えば恩は返せるしいいだろう。
反論しようとしたが、私の話す隙を与えず彼は私に背を向けてとっとと寝始めた。私は広いベッドが好きなのでダブルベッドを使っているのだが、彼は私が隣に寝ると思っているのだろう。
彼は寝れても私が寝れない。布団を出して、枕を用意してソファで寝ることにした。
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作者名:可愛。 | 作成日時:2022年10月7日 0時