轟洋介の彼女さん。

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洋介と仲直りして、翌日の放課後。昨日、彼は放課後は外せない用事が少しあると言っていた。だから予め集合場所と時刻を決めておいて合流することになった。

集合する時刻にもまだ余裕があり、時間を潰すためにも集合場所の近くのコンビニへ寄ることに決めた。美味しそうなグミを買い、会計を済ませると背後で小銭が落ちた音がする。振り返り、屈んで落ちた小銭を拾い、落とし主に渡す。




『はい、どうぞ』


「あ、すんません」


「村山さん、俺も拾いました！」


「お、関。ありがと」




落とし主を見ると、特徴的なバンダナを巻いていた。彼は村山さん、と呼ばれていて傍には大柄な男性が二人いる。一人はすらっと背が高くて小田島さんのような髪型。もう一人は一緒に小銭を拾っていて、スキンヘッドにがっちりとした体型。関、と呼ばれていた。ニコニコしながら拾った小銭を渡していた。

私は会釈してその場を去り、丁度予定時刻にもなりそうだったので早足で向かう。

すると、路地から不良が数人出てきて背後と正面から囲まれてしまう。





「お姉さん、村山と仲良いの？ちょっとお話しようよ」


『違います、やめてください！』






村山とはさっきの男性のことだろう。関係ないので否定するが、不良達は私の腕をぐっと力強く掴んだ。私は抵抗するものの、やはり男性の力には敵わない。どうしようかと考えていると、私を掴んでいる正面の男性が急に驚いた表情をするので振り返ると、さっきの男性が不良達を倒して立っていた。





「俺になんか用？」


「村山……！」





村山さんは他の不良達もあっという間に倒してしまう、そして残るは私を掴んでいる男だけ。すると男はナイフを取り出して私に突きつけてきた。流石に村山さんもまずいと思ったのか、距離を詰めるのをやめた。





「まじでだせぇことしてんじゃねぇぞ」


「うるせぇ！この女が…ぃってぇ！」





じわじわと私の首元に寄ってくるナイフに覚悟して目を閉じた。だが、男の呻き声が聞こえると手からナイフが落ちた音がして私は目を開いた。

そして誰かが全速力で走ってくる音が聞こえてきたら、男の背中に強めの蹴りが食らわされ、私は掴まれていたのでその反動で前に倒れそうになってしまう所を村山さんが受け止めてくれた。






「轟ちゃん、ナイスタイミング」

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