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映画はあっと言う間に終わり、映画館を後にする。のんびりと歩きながら、彼に話し掛けた。
『映画おもしろかったね。話題作なだけあって良かったよ、映画付き合ってくれてありがとね』
「付き合うのは当たり前だ。お前が楽しかったなら俺はそれで良い。この後は、どこか寄りたいところでもあるのか?」
さらっと当たり前、という彼に嬉しいなと私は思わず笑顔になる。どこか寄りたいところと言われ、化粧品をみたいなと思ったが、轟くんはつまらないかなと思い、唸っていると
「あそこに、お前の好きそうな化粧品売り場があるから行くか」
『え…!?……うん!…轟くんってテレパシーでもあるの』
「何言ってんだ。ねぇよ」
私の発言を可笑しそうに笑いつつ、否定すればそのまま私の手を引いて歩いていく。私は慌てて半歩後ろをついて行く、轟くんは背が高いから人が避けていくなと、大きな背中を見つめた。
店舗に着くと、様々な化粧品がずらりと並んでいて、私は目を輝かせながら店内を見て回る。
時々轟くんが、違う、それはいい、等と言ってくれるので似合いそうな化粧品もすぐに見つかり、今回はリップを買った。
『おまたせ、買ってきたよ。轟くんのお陰でいい物が買えたよ、ありがとう』
「ん、俺は大したことしてねぇから。他は?」
『……他は無いかな。そろそろ暗くなって来たし帰るよ』
「じゃ、駅まで送るわ」
暗くなると危ない時間帯にもなるから、帰ろうかなと腕時計を確認する。いつもの様に、特に引き止める訳でもなくそのまま手を引かれながら駅へと向かう。毎度の事ながら寂しいなあと思いながらも歩いていると、彼が立ち止まり振り返った。
「また連絡するし、すぐにまた会えばいい。金輪際の別れじゃねぇんだから、そんな顔すんな」
『そうだね、ありがとう』
「どういたしまして。……気をつけて帰れ」
『うん、ありがとう、またね』
彼に笑顔で別れを告げて、改札に入り振り返るとまだそこには彼がいて、軽く手を挙げてくれた。それを見るだけで嬉しくなり軽く手を振りそのままホームへ行った。
そんな姿がある一人の男性に見られているとも知らずに。
「およよ。……轟ちゃん?」
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可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» どういたしまして´`*! (2022年10月24日 18時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ありがとうございます。またチャレンジしてきます! (2022年10月24日 17時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» それは良かったです´`*はい、プロフコピーで大丈夫かと!念の為検索できるか確認してきたので、大丈夫だと思います!◎ (2022年10月24日 16時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ハイ(//∇//)しかもまたお話更新で、朝から気持ち上がりました⤴︎ありがとうございます♡あと、Twitterお邪魔したいのですが見当らなくて…プロフ記載をコピーで大丈夫ですか?そちらの洋介さんも読みたくて(๑˃̵ᴗ˂̵) (2022年10月24日 6時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» 確かに、こんな助けられ方するならいいですよね´`*最初は村山さんに全て助けてもらおうと思ったんですが、ここは轟に助けてもらった方がいいかなとおもってそうしました!そして村山さんには受け止めてもらう係になってもらいました、ときめきますよね❀. (2022年10月24日 0時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:可愛。 | 作成日時:2022年9月29日 14時