轟洋介の彼女さん。

14 小田島side ページ15

轟ちゃん、相当頭にキてんねえ。
そんなに怒ってるとこ俺見たことないわ。



彼は次から次へと来る敵を的確に倒し続けていく、やり過ぎなくらい殴る時もあるので、暴走している状態だ。いつも一緒にいる、辻と芝マンも少し驚いたような表情を見せていた。




「小田島と轟は先に行け。キリがねえ」


「俺らはこれくらい余裕だから、早く助けに行け」




轟ちゃんはそれに対して頷くと、また走り出して奥へ奥へと進んでいった。



いつもはこんな焦った表情を見たことがない、釣りしている時は何も喋らず、ずっと集中して、どんな事考えてるのかわからない。だけど今なら、どんな事を考えてるか分かる。彼女を拉致った奴らを潰す。そして彼女を助ける。それぐらい分かりやすく怒りをあらわにして、戦い続けている。



やっとの思いで、最後の部屋まで辿り着くと、そこにもわんさか人がいる。これやるのは骨が折れるなあと思いながらも一人、一人と確実に倒していく。俺がする倍の速さで敵を薙ぎ倒していく彼はやはりいつもとはひと味違う強さだろう。





部屋の奥で柱に縛られたAちゃんが居る。




「A！！」



『！…』




轟ちゃんが叫ぶと、気づいたようでAちゃんは顔を起こして涙目で彼を見つめた。彼がそこまで一直線で向かって行けるように援護し、彼の背後を守りながら突き進んでいった

15 轟side→←13 轟side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す