検索窓
今日:33 hit、昨日:36 hit、合計:84,287 hit

41 轟side ページ42

丁度、皆が去った後に彼女は目を覚ました。軽く欠伸をしながら、まだ眠いのか目をこすっている。



「起こしたか?」


『……大丈夫だよ。学ランありがとう、これ、すごく安心するんだよね』




Aはゆっくりと体を起こして、掛けていた学ランが落ちないようにそっと手を添えている。起きたばかりで本調子じゃないのか、いつもより受け答えがゆっくりになっていた。





「安心?」


『そう、安心。洋介に包まれてる感じがして匂いとかで落ち着く』


「そうか。……俺、目の前にいるけど、それは駄目なのか?」





Aが安心、と言ったのでどういうことなのかと聞き返したらそう教えてくれた。学ランの匂いを少し嗅いでいたので、少しモヤッとして彼女に聞いてみた。





『洋介そのものが一番だよ』


「ありがとう、俺も」





俺の聞いたことに対して、俺が納得する返しをAはいつもしてくれる。そして彼女はそう言うと、いつもからは彼女自身からは恥ずかしがってしてこないようなスキンシップ……俺が一番だと言いたいのか抱き締めてきた。

耳を赤くしているので、彼女なりに頑張っているのが可愛くてつい頬が緩む。それに俺も応えて彼女の背中に手を回して抱き締め返した。





そしてAとのスキンシップを楽しみつつ、さっき起こった出来事を話したりして時間を潰していると、すぐに時間は過ぎて夕方になった。暗くなるし、彼女は明日からまた学校なので家まで送り届けることにする。

2人並んで校舎内を歩いていると、嫌という程Aに視線がいくのがよく分かる。彼女のことを変な目で見ている奴らには静かに目で訴えかけ、牽制した。

校舎を出ると、たまたまなのか待ち伏せしていたのかは分からないが、楓士雄が居た。





「お、ドロッキーの彼女。よく寝れたか?」


『はい、とっても。…じゃあ、私と洋介は帰るので、ではまた』


「じゃあな」


「おう、またな」





楓士雄に挨拶を済ませ、二人で歩いて帰った。Aを無事に送り届けた後、思いがけない相手に声を掛けられた。





「あっれれ、轟ちゃんじゃん」

42 轟side→←40 轟side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
290人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» どういたしまして´`*! (2022年10月24日 18時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ありがとうございます。またチャレンジしてきます! (2022年10月24日 17時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» それは良かったです´`*はい、プロフコピーで大丈夫かと!念の為検索できるか確認してきたので、大丈夫だと思います!◎ (2022年10月24日 16時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ハイ(//∇//)しかもまたお話更新で、朝から気持ち上がりました⤴︎ありがとうございます♡あと、Twitterお邪魔したいのですが見当らなくて…プロフ記載をコピーで大丈夫ですか?そちらの洋介さんも読みたくて(๑˃̵ᴗ˂̵) (2022年10月24日 6時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» 確かに、こんな助けられ方するならいいですよね´`*最初は村山さんに全て助けてもらおうと思ったんですが、ここは轟に助けてもらった方がいいかなとおもってそうしました!そして村山さんには受け止めてもらう係になってもらいました、ときめきますよね❀. (2022年10月24日 0時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:可愛。 | 作成日時:2022年9月29日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。