検索窓
今日:5 hit、昨日:41 hit、合計:84,479 hit

27 ページ28

『小田島さんとほんとよく会うよね』


「だな。そうやって、バッタリ偶然ってのが重なって釣り仲間になったってわけだ。…手短に済ませるから、つまらねぇと思うけど少し待っててくれるか」





私の発言に軽く頷くと、釣具を探しながら話し始めるので彼の後ろをついて行く。彼が真剣に選んでいる横顔が綺麗で思わずスマホを取りだして写真を撮った。シャッター音で撮られていることに気付いたのか、こちらを見ている。



写真消されるのか、それとも怒られてしまうのかなと、彼がなんて言うのかなと待っていると、そのままスマホを持っている手を引かれ腰を引き寄せられる。





『!?』


「ほら、一番近くで見ていいぞ」


『あ、えっと……とても…綺麗です』


「…なんだそれ。大人しくもう少しだけ待ってろ」





彼の白く透き通った綺麗な肌、そして整った顔が近付いて、私の口数が少なくなってしまう。じわじわと顔が熱くなってきたので、私の顔が赤くなっている気がする。



私から思わず出てきた感想に満足したのか笑う。私をゆっくり解放すれば子供をあやすように優しく頭を撫でて、また店内を物色し始めた。



私はさっきより彼との距離をあけて、顔の火照りを冷ますように手で顔を仰いだ。その間に彼は気に入った物が見つかったのか、商品を手に取ってレジへ向かった。会計を済ませる間に、先程撮った写真を確認してみると、綺麗に撮れている様で安心した。



スマホのロック画面に先程撮った写真を直ぐに設定し、一人で喜んでいると後ろから手が伸びてきてスマホを奪われる。勿論その相手は一人しかいない、洋介だ。





「へえ……ロック画面に俺がいるわ。…ん、まぁ別にいいけど」


『あ、いいんだ』


「うん。……だって俺も……だからな」


『……え?何て言ったの?』


「何も。ほら、次行くぞ」





私のロック画面をまじまじとみると、すぐ私の手元にスマホが返された。受け取ると、彼に了承されたことが少し意外で聞き返す。ボソッと呟いたのが聞こえず、聞き返しても答えてくれないので、少し首を傾げつつも彼の後を追って釣具屋を後にした。



__________

洋介のロック画面が私の寝顔になっていることに気がつくのは、まだ先のことになるのだった。

28→←26



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
290人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» どういたしまして´`*! (2022年10月24日 18時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ありがとうございます。またチャレンジしてきます! (2022年10月24日 17時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» それは良かったです´`*はい、プロフコピーで大丈夫かと!念の為検索できるか確認してきたので、大丈夫だと思います!◎ (2022年10月24日 16時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)
小松ミナ(プロフ) - ハイ(//∇//)しかもまたお話更新で、朝から気持ち上がりました⤴︎ありがとうございます♡あと、Twitterお邪魔したいのですが見当らなくて…プロフ記載をコピーで大丈夫ですか?そちらの洋介さんも読みたくて(๑˃̵ᴗ˂̵) (2022年10月24日 6時) (レス) id: f4f49d3608 (このIDを非表示/違反報告)
可愛。(プロフ) - 小松ミナさん» 確かに、こんな助けられ方するならいいですよね´`*最初は村山さんに全て助けてもらおうと思ったんですが、ここは轟に助けてもらった方がいいかなとおもってそうしました!そして村山さんには受け止めてもらう係になってもらいました、ときめきますよね❀. (2022年10月24日 0時) (レス) id: fdd7cf983f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:可愛。 | 作成日時:2022年9月29日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。