2-11、お前は、何だ ページ39
ガープ side
「…こんにちは」
この錚々たる顔ぶれの前でよく呑気に挨拶なんぞ出来たものだ。
肝が太いのかそういう性格か…
桟橋の上には、ガープと事情を知るガープの部下、現大将のチャコが揃い踏みである。
クザンに渡しておいた電伝虫の通信が切れてしまったと言うことは、何か問題が起こったということ。
すぐに脱獄したのだと悟った。
動く影をじっと見つめると、男を一人連れている。看守が手引きをしたのか…！身なりも清潔そうなものになっていた。
足音もなくインペルダウンの闇から進み出て来たソレを見て、ガープは静かに息を吐いた。
「クザンはどうした」
「…眠っていると思います」
平然と、何事もなかったかのようにさらりと言われた言葉。
こいつ…仮にもクザンは中将じゃぞ？そうことも無げに言われちゃあこっちは形無しじゃ…！
「お前さん、なぜ脱獄したんじゃあ…！」
まだその中にいたら庇えたというのに…！
唸るようにそういうと、隣に立つチャコが反応したのがわかった。コルはその目を閉じたまま奥歯を噛み締める。
腕に抱えた少年を強く抱いて、瞼の下から睨めつけるように影を落とした。
「普通の生活を、送りたかったんです。
…あなた方にもそれなりに理由があるのでしょうし、私はそれを責めることはできません。…だから逃げるしかないと思ったんです」
「それでも！もう少し待てなかったの「ならば！はっきり申し上げましょうか…！」！！」
ギラリ
獣が目を剥いた。
それは、あか。
怒りで燃え盛るように渦巻く焔の赤だろうか？
その瞳はどこか神秘を孕んでいて、何処からともなく感嘆のため息が聞こえてくる。
「…私の正義は、守るための正義だ…！
あなたの前で私は確かにそう言った！
ならば私が、自分の息子が政府に送られると知ってそれを許すはずがないでしょう…！！」
「っそれは、海軍に対する不信ととるぞ…！
渡さんかったらその子も死ぬんじゃ！いいのか？！」
「っ…政府は信用ならない。
彼らが奪ったせいで、あの100年を治めた国の名を、もう誰も知らないんですから！！」
「っおい、ちょっと喋り過ぎだぞ！」
「！！ …お主、一体何を…！」
荒い息を抑えるように手で覆う姿に、余程興奮しているのが見て取れた。
隣の男がコルを宥めている。
こいつら…！！
「お前、一体何を知っている…！！」
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BAL - あかりさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります。このイベントに参加できてよかったです！ (2018年3月14日 16時) (
レス) id: debcdffa86 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。設定や文章、何から何まで素敵でとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 23時) (レス) id: 2ef8cf0998 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：BAL | 作成日時：2018年1月15日 23時
