1-23、「人は斯くも脆く、道化の様に面白い」 ページ28
フール side
「っはあ…」
コツコツと小気味好い音を立てながら、コルら二人が使っていた部屋へと急ぐ。
…そこで眠っている子供をきちんと埋葬してやらねば。
あの子には、雑ではあるが拷問のような形跡が残っていた。海軍のことを知るためか、それともただの遊びか…
やはり、海賊は外道だ。年端もいかない子供にまでこんなことができるなんて…！
しかめっ面で歩きながら、あの惨状を思い出してぶるりと体が震える。
Lv.4の囚人たちを皆殺しにし、尚且つ少年の指までちゃんと拾い集めていた
いやはや、末恐ろしい…
しかし同時に、大事そうに、割れ物にでも触れるように少年を抱えていたあの姿も思い出す。
あれほど大切なら、どうにかして生き返らせていてもおかしくないかもしれないな…
はは、あり得ないけど！
扉の前に立ち、暗い気分のまま手をかける。
＿＿ミシ
本当に小さな音だった。床が軋む音。
別に何でもないことだろうに、嫌な感覚が背筋を駆け上がって、それを払うように思いっきり首を振った。
違う、違う…！そんな訳ない！
だって、人間なんだから…あり得ないだろうそんなこと！
重々しげな鎖がやけに静かに、彼に付き従うように
闇に紛れるその寸前、僅かな光を受けた紅い瞳がこちらをそっと振り返ったのも、見た。
そして、その口がゆっくりと開くのも、見た。
「＿＿＿＿＿＿、＿＿」
＿＿＿ガチャン
「あっあの！コル…コルは、どうなったんですか？！」
「＿…は、はは」
ずるりと膝から力が抜けて扉に寄りかかった。口が渇いて息をするのもピリピリと痛む。
「つぎ殺したら、殺す」
その意味が、今わかった。
自分の体重が支えられなくなって床にヘタリ込む。
驚いた少年が駆け寄ってきてくれるが、私にはそれに礼を返す余裕がない。
「…大将、
＿＿＿＿＿＿＿
一幕、終了。
世界は廻る
……私を、置いて
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BAL - あかりさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります。このイベントに参加できてよかったです！ (2018年3月14日 16時) (
レス) id: debcdffa86 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。設定や文章、何から何まで素敵でとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 23時) (レス) id: 2ef8cf0998 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：BAL | 作成日時：2018年1月15日 23時
