1-17、力の等価交換 ページ22
少年 side
「おい、お前。軍艦に乗ってたガキだよな？」
突きつけられた銃口を睨みつけながら、だったらどうしたと言い返す。
「ハハッいいじゃねぇか！
ここには海軍に恨みがあるヤツしかいねぇんだ。せいぜい捌け口になってもらうぜ」
ぐいっと茂みの中から連れ出されて焼け野原に放り出される。すると、幾多の好奇の目に晒された。
だから嫌なんだ、こんなクズの相手をするのは。
ああ、はやく会いたいな。
あんたのそのバカみたいな優しさが好きだった。
俺を道具でも、汚いものでも、可哀想なものを見る目でもなく。
ただ、一人の人間として。見てくれた。
こんなガキを師だ友だと好いてくれるのが嬉しかった。
「……コル」
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿ドォォオン
火縄銃の重い音が辺りに響いた。ラリホー(敵一体を眠らせる)で眠ったシンデレラのこめかみを撃ち抜いたのだ。
反動でぽてっと尻餅をついてそのまま目を閉じる。流れてきた生暖かい血はゆっくりと服を濡らしていった。
「疲れたなぁ…神様のばぁか」
「誰が馬鹿かな？」
「っうわ…！」
突然聞こえた声に、飛び起きて身構える。気配もなく、見下すような態度でその人は立っていた。
…いや、人じゃないか。
不安定でどこかおぼろげ、なのに確固とした何かを持ってる。
そして何より、目が違う。
宇宙を彷彿とさせるような、神秘的で吸い込まれる瞳。芸術なんて分からないが、思わずため息がこぼれそうになった。
これが神様の、本当の姿なのだろう。
「えー…と。どうかされましたか？」
「うん、ちょっとね」
にっこりと満面の笑みで笑われる。
…嫌な予感が……。
「君が大事にしてる少年。死んじゃうよ？」
「…はい？」
急に…ちょっと待ってそんな…何なんやこの人は。
「あのねぇ…。茂みに隠れたからって絶対見つからないってわけじゃないでしょ？ゲームじゃあるまいし。
いま相当いたぶられている最中だよ」
そう神様が言い終える前に慌てて立ち上がる。足が震えて、血のぬかるみに顔から突っ込んでしまった。
おい、おいおいおいおい…！
帰れへんって、お前がかよっ…！
嫌な方向にフラグ立ちまくりやんか！！
焦る俺を尻目にニタァと嫌味に神は笑う。
「それでさぁ…物は相談なんだけど。
君の力、交換しない？」
1-18、然しそれは、人の性→←1-16、静かにお眠りシンデレラ
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BAL - あかりさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります。このイベントに参加できてよかったです！ (2018年3月14日 16時) (
レス) id: debcdffa86 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。設定や文章、何から何まで素敵でとても面白いです！これからも頑張ってください！ (2018年3月13日 23時) (レス) id: 2ef8cf0998 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：BAL | 作成日時：2018年1月15日 23時
