episode84 ページ39
それからみんなが食べ終わるのを確認し、ポアロを出て博士の家に向かう。
子供たちはわーわー!と駆け回っていた。
その一瞬、元太くんとぶつかる。
見事に撃たれた傷の所だった。
思わず顔をしかめるが直ぐに「危ないよ」と笑いかけた。
急所は外れてるし、弾も取り除いてもらって動ける程度に処置してもらったし、なんなら痛覚に鈍感だから普通にしてる分には痛くないけど…流石に、触られたら痛い。
「Aさんさ、怪我してない?」
コナンくんが鋭く呟く。
『まあね、怪我はしてるね。』
「何があったの…?」
哀ちゃんが首を傾げる。
私は「依頼だよ」と素直に答えた。
「どんな依頼だったの?」
コナンくんは当たり前のように聞く。
『秘密。』
「…そっか。」
「怪我、どんな怪我なの?」
『んー…触られなきゃ痛くない程度に処置してもらえる怪我かな。』
「急所は外れたんだね。」
『コナンくん鋭い。』
「あとはお腹、の辺りに怪我した?」
『お見通しじゃん。』
「その位置なら刺傷もしくは…ありえないだろうけれど銃…とかね。」
『哀ちゃんも鋭いね。
2人には敵わないや。
でも何で負った傷かは秘密にしときたいな。
私の探偵人生破滅の危機だから。
依頼中に怪我して療養しなきゃいないなんて迷惑極まりないでしょ?』
そう2人に笑いかける。
2人は静かに私の目を見た。
「…そうだね。」
コナンくんがそう頷く。
哀ちゃんも「確かに」と呟いた。
「そういや世良の姉ちゃんと何話してたの?」
『あー、さっき?
私の忘れ物のことだよ。』
「忘れ物?じゃあなんで受け取らなかったの?」
『受け取る資格がないから。』
「…資格?」
コナンくんの声が低くなる。
私は「そう、資格」と目を見ないでまっすぐ前を向いて言う。
「資格ってどう言うこと?」
『そのままだよ。私が持つにはふさわしくない物。
小学生にただただ娯楽のためだけに携帯を与えたり、免許を持ってない人に車を持たせて運転させたり。
そんな感じ。
私が持つには重すぎるって言うか。』
「ふーん…。」
そんな話をしていると阿笠博士邸の目の前まで辿り着く。
私は「お邪魔します」と家に入った。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし
作成日時:2020年6月14日 18時