episode80 ページ35
中也さんは承諾してくれた。
でも「明日から。昼間じゃなくて夜、それも10時からな」と言われた。
もちろん、何時でもよかった。
私のわがままだから。
気が付くとすっかり眠っていた。
でもゴミ出しの時間には間に合ったから、二人を起こさないようにゴミを出しに行った。
カギ、閉め忘れたけど…まあ…いいか。
誰か入ってきても、不審者の命のほうが心配になるし…。
そんなことを思いながら、家に帰ると2人は軽い言い合いをしてた。
いつものことだし、と私は朝ごはん(カップラーメン)を作る準備をする。
お湯が沸いたのを見て、「朝からカップラーメンか」と2人に口を出される。
こういう時だけ2人の価値観が一致するのやめてほしい。
いろいろ言われたが気にせず作って食べ終える。
どうやら2人は昨日家に帰ってきてすぐに買っていたらしく、コンビニで売ってそうなものを冷蔵庫から取り出して食べていた。
あと、歯ブラシとかいろいろ買っていた。
それから、「仕事があるから」と家をでる中也さんを見送る。
太宰さんは「せいぜい、事故に合い給え。」と見送っていた。
見送るには見送るんだよなぁ…と思いながらその光景を見つめる。
「…さて。」
『はて?』
「これからしばらく休暇になるわけだけど、君はどうするんだい?」
『傷の療養ですね…って言っても、もう痛くないんですけど。
でも引きこもります。
この街は空気が吸いにくいから。
んで太宰さんは?』
「私は一旦探偵社に戻るよ。
次の潜入が決まるまでね。」
『把握です。
お世話になったんでせめて駅まで見送ります。』
「それは有難いね。」
太宰さんはそう言いながら、部屋の中に戻っていく。
私は後ろを着いて行った。
「A、本当に潜入を続けるのかい?」
『ええ。』
「その体で?」
『この体だからです。
頭も大して良くないし、体術ができるわけでもない。
そんな私に価値を与えてくれるから。
その価値に見合う対価を私は生きながら支払わなきゃならない。』
「死んでも?」
『もう。
もうとっくに死んだようなものです。』
私はハッキリと口に出す。
『私は誰かに価値を与えられなきゃ生きていけない。
誰かに餌となる価値を貰わなきゃ餌を取れない。
二度と自然界で生きられない家畜と同じです。
ただ家畜と違うのは生きたい、って生命力と感情を持ち合わせてない。
本当にただ生きて、ただ死んでいく。』
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし
作成日時:2020年6月14日 18時