赤井さん家の異能力者【名探偵コナン】【文豪ストレイドッグス】

episode79 ページ34

「そういえば…Aさん、もう1つ潜入する組織が決まったって言うのは聞きましたか？」


中也さんがコンビニに行く、と言って家を出た頃。
ガトーショコラの先端を切り分け、口に入れる瞬間に降谷さんが静かな声を出す。


『え…え！？知らないっす。』

「いや、いいんです。」


そう言って、降谷さんは「今回のこの任務はなしの方向になったので」と言った。
私は「なんでですか？」と首を傾げ、ガトーショコラを口で溶かす。


「こちら側としてはAさんの命を、優先したい。
しかしこのままで、異能力組織に潜入したら…」


『え、そんなことだけでですか？』


私は降谷さんの声を遮る。


『そんなことだけで心配されるほどヤワじゃないっす。
てかもしかしてそれもう決定したんですか？』

「…いや。」

『よーし！じゃあ結構ですね！
んふふ、ワクワクしますね。
次は上手くやったりますよ。』


とガトーショコラをもう一口食べる。
美味しすぎて泣けてくる。
世の中こんな美味しいものがあっていいのか。


『あ、でも少し期間開けて貰えますか？』

「はい。もちろん。」

『じゃあ余裕です。次こそ。』


私はニコッと降谷さんに笑いかける。
太宰さんは小さくため息をついていた。

それからしばらくして中也さんがお酒買ってきて帰ってきた。
ゴミは持ち帰れ、と1つ注意をして家の中に入れる。


『あ、あと暴れたら野宿させますから。
布団なし、コンクリートで寝てください。』


いつもなら何か言ってきそうだけど、今日は何も言われなかった。

それからなんやかんや雑談をし、夜が深くなる。
あと数時間で朝になるくらいの時間帯に降谷さんは帰宅した。

国木田さんたちが置いていった布団を川の字に並べる。
太宰さんと中也さんは互いにすっごぉく嫌な顔をしていたけど部屋が一つしかないもんで、「私も男2人と寝るのは嫌だ！！廊下がいい！」と主張したものの「それもそれでこの部屋が地獄地獄」という結果になり、「誰かひとり廊下」という考えに辿り着いたものの、昼間は暑いくせに夜はくそ寒いからエアコンの恩恵が欲しいということで仲良く川の字になった。

電気を消して、カーテンを開ける。

青白く冷たい空が見える。



『…中也さん、あの1つお願いいいですか。』



私は太宰さんが洗面所に行っているときに、隣で寝る中也さんに話しかける。


「言ってみろ。」

『もし良ければもう一度戦い方教えて頂けませんか。』

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