episode77 ページ32
次に目が覚めると、アパートの天井がみえた。
『…痛たた…。』
そう起き上がると、「動くな」と中也さんに怒られる。
ぴえ、とわざとらしく言ってもう一度寝っ転がる。
ハサミで包帯を切る音が数回。
しばらくして太宰さんが居ないことに気がついた。
『…あれ？太宰さんは？』
「手前のとこのお仲間がここに来ねぇように、一旦戻って報告しに行ってる。」
『…申し訳ないっす。』
「手前は何も考えんな。今は止血のことだけ考えてろ。」
『うい。』
そう言って私はぼーっと天井を見る。
「…にしても上手い止血だな。
道具さえあれば完璧だ。」
『さすがですね。
んふふ、せっかくだし感傷に浸っていいですか？』
「別に構わねぇが。どうした。」
私は一言感謝をして、口を開く。
『私、真純…姉なんですけど。
姉のことが苦手苦手言いながらずーっと、真純だけが生きてればいいのにって思ってたんですよね。』
「…その結果が、あの闘技場か？」
『はい。
それと、その思いが原因で異能力、手に入れました。
中也さんに話したかもしれないんですけど、別に母から受け継いだ訳でも、なんでもないんです。
ただ、真純を守らないとって。
私が死んでも世界は回るし、って。
んで、頭の打ちどころですね。多分。』
へへへ、と私は笑う。
『真純と公園で喧嘩した時、真純が帰る、って走り出したんです。
その時、信号機が赤なのに走って行っちゃって。
私、小さいながらに真純とトラックの間に飛び込んで、真純の頭守ったんです。
そしたら真純は無傷。
私はバキバキで何で生きてたんだろ、って思うレベルになっちゃって。
それからです。』
私は小さくため息をついた。
『異能力が何も無い私にプレゼントされたのは。
事故から目が覚めると、多分突然の異能力で体がびっくりしたのか髪は真っ白だし、「あいつ面倒くさい」っていう看護師の悪口聞こえるし。
でも異能力のおかげで、何となく自分の価値が上がったって思った。まあ実際変わってないんですけど。
探偵とかできないし。』
そう、言った時玄関が開く音がした。
「戻ったよ。」
太宰さんだった。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます！！ｳｱｱｱｱｱｱ気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年10月24日 7時) (
レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました！これからも応援しています！ (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます！！(´；ω；｀) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…！！ (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます！bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：from bathroom | 作者ホームページ：http://なし
作成日時：2020年6月14日 18時
