episode50 無事、戻りましたこれからもよろしくお願いします ページ4
とりあえず、沖矢さんには「後でお礼します」と言って、依頼に同行させないようにした。
あの人なら普通に同行しかねないから。
あらかた準備が終わっていた私は貼りっぱなしのガーゼを張り替え、私は敦くんのことを待っていた。
その間、パソコンでニュースを見ては小さくため息をついていた。
後悔というか、申し訳ないという暗い波が押し寄せてきている。
こんな時にしか使えない異能力なのに。
ただでさえ何も出来ないのに異能力を有効活用できなきゃ、それこそ探偵社に恩返しができない。
それに異能力を嫌うのは私の勝手だが、嫌って探偵社が求めていた時に使えないだとか、宝の持ち腐れにするのは助けて貰っている探偵社に対して無礼すぎる。
「A、準備できたから行こっか。」
『あーい。』
暗い波を押し込むように、蓋をするように、パソコンの電源を消し、いつもの最低限の荷物を持つ。
家の鍵を閉めて、1件目の依頼の場所へ向かって歩き出す。
敦くんは新しい街に目を輝かせている。
虎と言うより犬だ。
ある程度歩いた頃、敦くんはハッとした顔をして話しかけて来た。
「とりあえず、今日の分の依頼を終わらせちゃって、余った時間で依頼を断る?」
「そうしようかな」と口に出しかけた時、私は一瞬悩んだ。
これが国木田さんが受けた依頼でないのなら、この依頼を受けた別の人間がいる。
その人間は恐らく、何かしら探偵社を監視下に置きたい人間なはず。
んで、もしもその人間が警察だとかお堅い人間ならわざわざハッキングみたいなことをして国木田さん名義でメールを送らない。
そんなことをしたら自分の立場が危うくなるから。
ということは、その人間は限りなく黒に近い。
断定するのはまだ危険だし、この推測も180°間違えている可能性も大きい。
だけど、恐らく、こんなことをするのは私が探している違法異能力集団なはずだ。
そうなれば、依頼主の中にこんな回りくどいことをした犯人がいるのは確実。
何せ、メールと多数の依頼だけでは監視下に置くには不十分だから。
私が依頼をどんな順で受けて、依頼主の元へどんな道を使って行くのかなんて予測不可能だ。
だけど、自分が依頼主になれば安全に監視ができる。
何もしなくても自分の元に監視対象が来るのだから。
…ここは全部請け負った方が面倒いけれど手っ取り早く犯人が見つけられる。
無謀な事だがその無謀を覆す能力が私には悲しいことにある。
『全部受けよう』
私はそう答えた。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし
作成日時:2020年6月14日 18時