episode74 ページ29
「…A、ママも来たことだし、本当のことを話してくれないか？」
『だから、横浜に居たよ。ずっと、ずっと。』
「嘘だ。あんだけ探したのに、A、君の目撃者は誰もいなった。」
『横浜をずっと逃げ回ってた。』
「それでも！！目撃者の1人2人ぐらい…！！」
真純は私の目をじっと見た。
私は静かに首を振る。
『目撃者がいるのが普通じゃないよ。
それに、未解決事件の大半が目撃者がいるのに解決出来ていないじゃないか。
そういう事だよ。』
「A、本当のことを言いなさい。」
母の声がピシャリ、と場を引き締める。
「私たちはずっと探していた。」
『…そんなことは理解出来ます。
異能力に頼らなくても。』
「…ママ、とりあえず今はその話じゃないよ。」
真純は母に視線を移し、静かな声で言う。
そして、真純はまた私の目を見つめ
「A。」
真純の声は静かで強かだった。
「僕たちと一緒にまた、暮らさないか？」
と聞いた。
私は首を絞められたような気がした。
吐きそうな感覚。
静かにうつむく。
『…それは出来ない。』
「どうして？
探偵社に所属しているから？
それなら、君は僕と同じ探偵だ。
だから、仮に一緒に暮らしても支障はないよ。」
『…出来ない。』
私は下を向き首を振った。
『真純とは、全てが違うから。』
「…それなら、せめて…。」
と言葉を続けようとする真純を遮って、
『出来ない。
第一、真純とは生きる世界が違う。』
「A、今ならまだやり直せる。
だから、お願いだ。僕たちと一緒に暮らさないか？」
その言葉が引っかかった。
やり直せる、その言葉が。
そもそも、分かり合えていないのはずっとじゃないか。
才能の違い、性格の違い、価値観の違い。
全部を噛み合わせていたのは、異能力が目覚めてからであって、私が特別になる前は何も気が付かなかったって言うのに。
ずっと、ねじ曲がってた。
なのに、やり直せるって何？
何をやり直すって言いたいんだ？
普通を知らないっていうのに、どこをどうやり直すの？
『…ごめん、分からない。』
私はそう言っていた。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます！！ｳｱｱｱｱｱｱ気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年10月24日 7時) (
レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました！これからも応援しています！ (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます！！(´；ω；｀) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…！！ (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます！bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：from bathroom | 作者ホームページ：http://なし
作成日時：2020年6月14日 18時
