episode72 ページ27
「つまんねーよ！！」
「は？あんない能力、懐に入れてたら思い通りじゃねぇかよ！
便利だろ！！」
「やめてよ。どうせあんたに買えないんだし。」
そんな言葉が次々と吐き出される。
異能力で聞く必要も無いほど、大きな声で。
実際にどんどんと吐き出されていく。
耳を塞ぎたくなった。
それでも私は真純に目を向けた。
まだ、目が覚めていなった。
安心と同時に苦しかった。
今この瞬間も隣では悲鳴が聞こえ、上からは汚いお金の話。
でもおかげで、ゆっくりと心の整理が着く。
目を閉じて、数回深呼吸をする。
体に血が飛び散る感覚。
血の匂いが鼻を満たす。
ゆっくりと目を開き、観客を観察する。
私は冷たく、上から見下ろす観客を見つめた。
自分で殺したわけでもないのに、返り血でびしょびしょになる。
『…クズな人達。』
そう呟き、真純をおんぶする。
「皆さんお静かに！
さて！掃除が終わりました！
今からこの子…いえこの子達を引き立てる、彼らを主人公にして頂けるオーナー様を探します！」
と、明るい耳障りな声が会場にまた響いた。
「それでは、まず最低金額の」
そこで、声が止まった。
バキ、ゴン、いう音と共にハウリングが起きる。
「はぁい！闇闘技場の会場にいる、みなさぁん！」
声が、全く違う人だった。
「今、そちらにゲストを通しました！
それでは、楽しい時間をどうぞ！」
その声と共に、闘技場の扉が乱雑に開き、帽子をかぶった男性が入ってきた。
そこからは本当に一瞬だった。
観客が逃げ惑うのをその人が指一本触れずに押さえつけて終わった。
私は逃げることも何もしなかった。
ただ、その人から目が離せなかった。
「逃げねぇのかよ。」
とその人は睨む。
私は目を逸らす。
「待って中也！その子は私が連れ込んだんだ！
そしたら勘違いされてここに輸送された。
まあおかげで、マフィアが厄介にしてた闇闘技場の場所も把握出来たんだけどね。」
さっきの声の人が会場に入って来る。
背が高くて髪がボサボサな人。
「はぁ？じゃあ、コイツらは…。」
「そっ。
間違え連れてこられた上に、間違えて殺し合いに参加させられて、間違えて生き残った子だよ。
でもその間違いのおかげだ。
君には感謝してるよ。」
私は困惑しつつ、頭では理解出来た。
要するに、私たちは本来この場にいる人間じゃない。
「という事で、君は今から私たちに着いて来てもらうことになる。
じゃあ早速行こうか！」
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます！！ｳｱｱｱｱｱｱ気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年10月24日 7時) (
レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました！これからも応援しています！ (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます！！(´；ω；｀) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…！！ (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます！bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：from bathroom | 作者ホームページ：http://なし
作成日時：2020年6月14日 18時
