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episode69 ページ24

どれぐらい離れたかはわからない。
しかし、市街地の路地裏にまではたどり着いた。
私は壁に伝い、座り込む。
朦朧とする意識の中で、瞼が落ち、眠りにつく瞬間とはっと起きる瞬間を何度も繰り返す。


そんな時、ポケットに入れていた携帯がなった。


表示された名前は、目指せバルジ行けゴンザレス、だった。
私は太宰さんに指示されたとおり、出る。



「大丈夫かい?」



電話の向こうから聞こえたのは太宰さんの声。
弱った私はすごく混乱する。



『しんどい……です…。
…でもこれ、今、太宰さんに触られたら記憶改変消えるから…。』

「……そうだね。
わかった、じゃあ君をこんな目に(おとしい)れた張本人をそっちに送るよ。
あっ、君はそこから動かなくていい。
Aから携帯借りた時、君の携帯にGPSつけといたからどこにいるか分かる。」


私は「じゃあここで待ってます。」と声に出そうとした時、路地を前を横切る真純の姿。
その視線は路地の中を覗いていた。


『…ヤバい。』


と言って、私は携帯を耳から話す。
そして電話を繋げたまま、ポケットにしまう。
真純がこちらに向かってくる。


「大丈夫!?
何したんだ!?この傷!!」


私は話す気力もないし、体力もないが応答しなきゃ面倒事になると思い無理に声を出した。


『……任務でやらかしただけだよ。』

「病院に行くよ!!」

『ダメだよ。そんなことしたら、私が殺される。』

「…何を言ってるんだい君は。」

『そういう任務だから。
治療は探偵社の人に頼むか、もしくは自力でしなきゃ行けない。』



と言いながら、私は咳き込んでしまう。
抑えた手には情けなくべっとりと血が着いていた。



「…わかった。
僕が泊まってるホテルで止血をしよう。」


そう言って、「やめて」と拒否をする私を他所に、真純は私のことを背負い、走り出した。

抵抗しようとするにも、もう力もなかった。
それどころか意識を保つ体力もない。


私はそのままガクッと、意識が遠のくのがわかった。

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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます!!ウアアアアアア気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…!これからも頑張ります! (2021年10月24日 7時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました!これからも応援しています! (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます!!(´;ω;`) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…!! (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます!bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:from bathroom | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2020年6月14日 18時

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