episode63 ページ18
「A、あの子はもしかして…」
真純と離れてしばらくした頃、そう太宰さんは口を開いた。
『はい。噂の。』
「似てないね。」
『そうですよね。自分でもわかってます。
羨ましい限りです。
異能力に頼らなくても生きていけて、なけなしの才能じゃなくて、努力する才能も未知に飛び込む才能も持ち合わせてる。
真純が姉で良かったって思う反面、私が妹でいいのかなって思うんすよね。』
そう、笑いかける。
「Aは、異能力が無い方が良かったってこと？」
私は太宰さんの方を見る。
『なかったらなかったで苦しんでるだろうけど、不条理に与えられたもんは素直に毒でも飲み込みますよ。
それで解毒できればこちらのもんですし、出来なければそれまでです。』
そう言って視線を戻した。
「やっぱりA、君は変だ。」
『え、太宰さんに言われたくないです。』
「あ、そういえば鏡花ちゃんから伝言だよ。
今度行くから、って。」
『嬉しすぎますねそれ。』
「それと私からのプレゼント。」
太宰さんは「携帯を貸して」と言った。
私は疑問に思いながら、携帯を渡す。
電子音が響いたあと太宰さんは私に携帯を返した。
「ありがとう。」
私は生返事をする。
ちらっと見た液晶に表示されていたのは知らない電話番号だった。
『これ、誰のですか？公的でも無ければ圧倒的に個人のものですけど…。』
「秘密。でもこの番号から掛かってきたら出るんだよ？」
『え、何それ怖い。』
そう言いつつも出る気はあるから、番号を覚えられないから、と名前を変えることにした。
太宰さんの言葉は勝手に疑ってもいいが、信じるが命綱だから。
『名前は？』
「適当でいいよ。」
『しょうもない名前でも？』
「嗚呼、大歓迎さ！」
『じゃあ、目指せバルジ行けゴンザレスにします。』
と真面目なトーンで言う。
バルジとは宇宙の話だ。
太陽系よりも広くて、天の川銀河よりも広い。
あとは、老人ホームみたいな感じ。
年老いた恒星が集まってるらしい場所。
うろ覚えだけど。
『よし。
あ、あそこだ。あの公園ですよ。』
と私は指定された公園を指さす。
太宰さんの1歩前に出て、先に公園に入った。
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from bathroom(プロフ) - ありしゅさん» コメントありがとうございます！！ｳｱｱｱｱｱｱ気がついて下さりありがとうございます…私も好きな曲で誰か気がついてくれたらな、とかしんどい人いたら救われねえかなみたいな感覚でちょびちょび入れてみたので気がついて貰えて嬉しいです…！これからも頑張ります！ (2021年10月24日 7時) (
レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
ありしゅ(プロフ) - 私の好きな曲の歌詞がいきなり出てきて吃驚しました！これからも応援しています！ (2021年10月17日 9時) (レス) id: a9a93c108b (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» 語彙力が酷く低い返信本当に申し訳ないです… (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
from bathroom(プロフ) - 桜茶さん» ありがとうございます！！(´；ω；｀) それに好きだなんて言葉本当に嬉しいです…これからも応援よろしくお願いします、本当にありがとうございます…！！ (2020年11月14日 10時) (レス) id: 462ac0c112 (このIDを非表示/違反報告)
桜茶(プロフ) - 合格おめでとうございます！bathroomさんの作品はどれも好きなのでこれからも楽しみにしています。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 72bb70d964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：from bathroom | 作者ホームページ：http://なし
作成日時：2020年6月14日 18時
