29話 ページ29
「調子のんのもいい加減にしろよっ！」
「いつまで彼女面してんだよっ！」
通りかかった中庭から聞こえてきたのは、女子のヒステリックな声。
俺も少し前までこういったいざこざに巻き込まれることが多かったな。
付き合っていた女の子から、「呼び出された怖い！」と連絡が来てとりあえずはその場に出向く。
そうしないと後がめんどくさいし、俺が出て行くと大体本性を見せたくない子達は大人しくなる。
ただ元彼女たちは俺にこの場面を見せつけて助けてほしいみたいだったけど。
でも女の子の揉め事ほど怖いものはないから、極力首を突っ込まないようにしていた。
確かAちゃんと付き合い始めてから、ぴったりとなくなったのだ。
この間みたいに別れた方がいいと迫られることがあっただけ。
厄介ごとはごめんだけど、どんな子達が揉めているのかと顔を覗かせる。
その瞬間俺は固まった。
『言いたい事はそれだけですか？』
身なりの派手な女子生徒達に囲まれていたのは、まぎれもないAちゃんだったから。
「はあ!?生意気なんだよっ！」
典型的。と言ったら怒られるだろうか…その言葉と共にドンっとAちゃんの肩が押される。
しかしAちゃんは顔色一つ変えずに体制を立て直した。
『他に何かあります？そろそろ戻りたいんですけど。』
「うわマジ腹立つコイツ！」
「一回痛い目見なきゃ分かんない!?」
『言っておきますけど、危害加えられたら警察に被害届出しますよ。』
「なっ…証拠がなきゃっ―ー」
『これだから頭の弱い人は…』
Aちゃんの反撃に俺は出るタイミングを失った。
『私やられっぱなしって嫌いなんですよ。丸腰で来るわけないでしょ？』
取り出したのは彼女の携帯で、よく見えないが多分レコーダー機能を使ったようだ。
その証拠に先ほどの言葉が再生されている。
「卑怯な！」
『卑怯なのはどっちです？大勢で呼び出して、こんな事して…あんたらのがよっぽど卑怯だろ。』
いつもより数段低いAちゃんの声。
『大体、何であんたたちに及川さんと別れろとか命令されなきゃいけないわけ？』
俺、見ちゃいけない物を見てるような気がする…。
『及川さんが誰と付き合おうが及川さんの勝手じゃん。それとも何？私が別れたら自分が及川さんと付き合えると思ってんの？』
「付き合えるわよッ！及川さんがあんたの本性知ったらどう思うかしらね!?」
「捨てられるに決まってる！」
『ハイハイそーですか。くだらな。』
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ポチ - 天女楽しみに待ってます！これからも頑張って下さい！！ (2017年3月30日 9時) (
レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます！わぁぁあぁぁ！嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね！了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします！ (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです！私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください！出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです！はいっ！頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした！主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました！これからも頑張ってください！ (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：炭酸 | 作成日時：2017年1月10日 0時
