＊窓口担当社員 ２ ryosuke.Y

□ ページ37

．








．





ちょうど、家の前に着いた。
タクシーは止まってハザードランプがチカチカうるさくて。





それ以上に私の、







私の心臓がうるさい。






A「………ぇ……？」





まっすぐ私を見つめる目は真剣で、

嘘を言ってるようには見えなかった。





涼介「絶対オッケーくれるんでしょ？


ね、…考えてみて。
返事は今じゃなくていいから。」






手帳を取り出して何か書いてると思ったら、
大胆にもその1ページをビリリ。




手渡されたそのページには、

番号…これって、




涼介「俺の、プライベートの番号だから。

会議と商談のとき以外なら絶対でるからかけて。

もちろん今から帰ってすぐでもいいけど(笑)






ふふ……じゃ、またね。」




私を降ろしたタクシーは、

颯爽と夜の街に消えていった。








．









．





嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、


だって絶対……






A「…ありえないよ……」






もちろん、


嘘つくような人じゃないし

嘘を言ってるようには見えなかったのだけど



そうじゃなくて、このありえない状況が信じられなくて。






ローテーブルに置いた一枚のメモが視界に入るたび、

夢じゃないんだぞ、と言われているような気がする。







返事、とか言われても……。






でも………







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