＊窓口担当社員 ２ ryosuke.Y

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A「そ、そういえば涼介さん、今から会社ですよね。

…大変ですね…。」





涼介「んー？そうでもないよ(笑)


もともと戻るつもりでカバンも会社に置いてるし、

急ぎの電話だけしてすぐ帰るからね。」




…なんて嘘だけど。

今日は寝る時間もない、

なんて言ったところで

心配や同情を買うだけ。
気分もよくなるわけでもないし。




A「そうなんですか！


でも無理はしないでくださいね…？





…あ、ちょっと左手、貸してください。」






そう言って俺の手をとった彼女。




助手席後ろに座っている俺は必然的に

身体ごと彼女の方へ向くことになる。



もちろん彼女も同様で。



手の甲を上に向けて彼女の両手が俺の手を包んだ。



A「わ、めちゃめちゃ乾燥してますね。

ハンドクリーム、塗ってもいいですか？」




返事も聞かずにバッグからクリームを出してきて勝手に塗るAさん。


乾燥してる、とか余計なお世話。って
いつもの俺なら、
Aさんじゃない誰かになら、

そう思ってるはずなのに。



確かに最近そこまで気を遣えてないなって気づく。

愛用のハンドクリームは何週間か前に切れたまま、
買いに行けてないし。



クリームを塗りながらマッサージしてくれてるAさん。

控えめに香るのは爽やかなフローラル。



A「ふふ、ハンドマッサージって誰かにしてもらうと、

自分でやる以上に気持ちいいですよね。




力加減大丈夫ですか？



痛かったら言ってください。」




涼介「ん……大丈夫。気持ちいー…」









この子は、



どれだけ俺を癒すつもりなんだ。









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