【REBORN】自分の道は曲げないので

標的17 あの男 ページ20

こっちに来て桜咲く季節をもう14回も体験した。
毎年毎年、並盛を桜色に染めて、春の訪れを知らせるサクラは大変だね。
早くも緑色の葉をつける校庭のサクラの木を、視聴覚室の窓から見下ろしながら僕は思った。
そう、時間の流れは早い。いつのまにか僕は中学2年生になっていた。

相も変わらず学校は僕がいないと経営できないし、雲雀組だって勢力を伸ばしつつある。
あれからまた100人ぐらい組合員は増えたかな。僕らのおかげで並盛は以前より平穏な日々を送れていると思う。
それと結局風紀委員は、草壁のおかげで草壁みたいな奴らしか集まらなかった。ムサイ男集団は正直うんざりするが、いないよりはマシかな。
以前倒れた時ほど過酷な仕事はなくなったし、上に立ち人を使う立場として磨きもかかったので結果オーライ、としよう。

そういえば最近困った問題児が出てきた。
一年の沢田綱吉。名前だけ聞けば、どこの武将だと一言言いたくなるけど、実際見てみればため息をつきたくなる自己管理力のなさ。
その彼によって次々と学校の備品を壊されていく。掃除をしていればスベッてモップの柄は折るし、理科室で実験をしていれば高確率でフラスコや温度計を割る。
これは僕に対して煽っているのとしか考えられない。
学校の予算は少なくはないけど多くもない。全部活の部費の配分を考えたり、細かな修理や近々耐震補強工事だってやらなければいけない。
彼のせいで、地味にゴリゴリと無駄な金が飛んでいくんだ。

いつかあの男は成敗しなければ。でも今はその時間がないぐらい仕事が詰まっているので出来ない。やはり仕事が多いのも全てあの男のせいだ。

今度こっそり寝首をかこうかな...
それを草壁に言ったら真っ青な顔をして沢田綱吉の書類を隠された。冗談だったのに。
わざわざ僕が沢田綱吉一人のために書類を探したりしないのにと言うと草壁は安心したような顔をしてたけど、僕は半分本気だったけどね。
雲雀組の力を使えば、そんな書類を探さなくても5分もあれば住所特定できる。
草壁が書類を隠したって時間の無駄なのに。
あとで、サボった罰として草壁と遊ぼうかな。

ねえ、僕は鬼ごっこがいいと思うんだけど草壁は何がしたい？

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