標的13 就任 ページ14
家に帰ると、ボロボロになった僕を見て雲雀組の人達は驚きながらも介抱してくれた。
小学校の時は早退なんてざらだったから、僕の家には朝晩時間関係なく雲雀組の人達が出入りしているのは知っている。きっとシキの護衛でもしているんだろう。
彼らは不安そうな顔を僕に向けるけれど、誰も口を開くことはなかった。
それは僕にとってとても快適だった。僕は喋ることが好きじゃない。いらないことは言いたくないタイプだ。学校の教師とは違い彼らはそれを知っているから、適度に喋って適度に黙る、だからこの家が好きだった。
手当てを受け終えると、僕はすぐに大部屋へと向かった。何をしてるのかは知らないけど、シキは大抵ここにいる。決めたら即行動がモットーな僕としては早くシキにこの勝利を教えたかった。
「シキ!」
僕は彼女の名前を呼びながら障子を開けた。やはり、そこにはシキがいた。
「こらドタバタ走るんじゃない。何度も言ったろう?」
「それよりも聞いて。僕風紀委員長倒した」
それを聞くとシキはこめかみをピクリと動かした。多分並盛中の風紀委員が中学校を牛耳っている話をシキは少しは聞いたことがあるんだろう。雲雀組の縄張りは並盛全部だからね。つまり、その長を倒せば、僕は次の風紀委員長であることは確実だ。
「…そうかい」
「行動に示したけど…?」
するとシキはスっと息を吸ってから大きく口を開けて
「集合!」
とだけ声をかけた。どこからそんな声が出ているのか疑うぐらいの声量で、次の瞬間には雲雀組の人達が大部屋へと集まる。ざっと10人弱ぐらい。
ちなみに雲雀組全体の人数は、たしか100人いったかいってないかぐらいらしい。暴力団の相場なんて僕は知らないけど、これって多い方なのかな?まあ、並盛は広いからそれぐらい居たって不思議ではないかもね。
シキは静かに、でも威厳のある声で
「本日を以って、雲雀シキは雲雀組の仮組長を降り、雲雀恭弥が第四代雲雀組組長の座を務めることを承認する」
こうして僕は案外あっさりと雲雀組組長となり、
『風紀委員長兼第四代雲雀組組長の雲雀恭弥』となった。
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南条(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 感想ありがとうございます!とても励みになります…! (2018年4月10日 7時) (レス) id: 05ac4354b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - とても面白いです!自分のペースで更新頑張ってください! (2018年4月7日 4時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南条 | 作成日時:2013年8月30日 0時