75 ▼ ページ25
戴冠式が始まる5分前。
従者のぬらりから声をかけられた。
「…エンマ様」
エンマ様、と呼ばれるのはこれで最後だ。
「何だ?」
「…くれぐれも外の反発派には注意して下さい。貴方は、堂々としていれば良いんです」
「分かってるって!」
王は皆の上に立つ存在である。
決してその背中を絶対見せてはいけない。
「…それと、絶対後ろを振り向かない事。
物怖じしていると思われます。
エンマ一族としての誇りを、見せてやって下さい」
ぬらりは唇に手を当てて皮肉そうに笑った。
「…あぁ、そうだな!」
「分かって下されば良いんです」
俺は深呼吸をして精神を落ち着かせた。
そして、歩き始めた。
これから歩む王としての道を。
〜
「静まれ!!」
声を荒げた。
先程から騒々しくしていた沢山の妖達は皆迅速に静まり、おもむろに《今》の大王であるエンマ大王の元へと視線が集結する。
大王は視線を受けながら言葉を紡ぎ始めた。
「……皆、今日はよく俺の為に集まってくれた。
この日を迎える事が出来たのも皆のお陰だ。
俺は皆に感謝している。
だから、……いや、だからこそ、これから、俺を支えていって欲しい。
____これが、きっと願いとなるから。」
ふと。
その光景を端で見ていたぬらりひょんは、心なしか急激に熱くなった目尻をそっと手で抑えた。
「……あ、っ……?」
か細い声を上げた時、既にぬらりひょんの頬には涙が伝っていた。
慌てて拭おうとするが、涙は後から後から溢れ落ちてくる。
困惑しながらただひたすらに涙を止めようとゴシゴシ目を擦っていると、突然、声が脳裏に蘇ってきた。
『ぬらり、俺は別に王になりたいなんて思ってないさ。
数多居る妖達を統べるなんて、そんな大層な事俺にはできない。王として立派な歴史になんか残らなくっていい。
でも俺は誰かの記憶に一生涯残る存在でありたいんだ。』
いつか言われたその言葉。
此方に背を向けているエンマ大王と、Aの面影が、一瞬だけ重なり目を見開いた。
____A様は、もうこの世には居ないのだと実感していた。
けれどそうではない。
貴方は、生きていた。
まだ、力強く、立派に____
「さあさあ皆様、この五つの話、どうだったでしょうか?
楽しんで頂けたなら幸いです。
では、またどこかでお会いしましょう___!」
【END】
作者から
gdgd感が満載ですがどうかお許しください(((
更新遅れてすみませんでした。m(_ _)m
話全部繋がってない…
76 オロチはなぜか熱中症になると敵に遭遇しやすくなるらしい←※Bokarira様リクエスト!→←74 ▼
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の一言だよ!新学期だよ!全員集合〜編
質問!もし貴方が学校に行く事になったら!? 百鬼姫「は?妾?学校なんて必要ない!!」←※闇の教育はバッチリ
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宵月夜(プロフ) - 桜優季さん» リクエストありがとうございます(土下座) 近いうちに作成します〜!あのお二方は難しそうです…(笑) (2018年1月3日 19時) (レス) id: 535f385a7d (このIDを非表示/違反報告)
桜優季 - リクエストです!暗黒神と時空神のギャグ的なものをおねがいします!!!!!!!! (2018年1月1日 1時) (レス) id: e961a428d7 (このIDを非表示/違反報告)
宵月夜(プロフ) - おぉ、二度目のリクエストありがとうございます♪今のリクエストが終わり次第書かせて頂きますね!…意外な趣味…ですか、想像すると笑っちゃいます← (2017年12月21日 19時) (レス) id: 535f385a7d (このIDを非表示/違反報告)
ほづみん(プロフ) - リクエストいいですか?オロチの意外な趣味(歌、ダンス、裁縫、料理)の短編が見てみたいです。 (2017年12月18日 19時) (レス) id: e4e5c17d12 (このIDを非表示/違反報告)
Bokarira(プロフ) - リクエスト、宜しいですか?注文が多くなりますが…。えっと、『オロチが熱中症になって、あやとり様を倒す』を作って欲しいです。無理なら、無理で大丈夫です。 (2017年8月4日 17時) (レス) id: e4e5c17d12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蓮獅子 | 作成日時:2017年3月23日 13時