涅槃／服部全蔵 ページ33
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この神社では私の禊の最中は決して騒がない、と
暗黙の掟ともいうべきそれは二十余年間守れてきたが
今日はやけにどたばたと足音が煩く集中などは出来ない
父様(ととさま)に御叱りを受けているのを見るのは
あまり、好きでは無い。だから早く止めさせなければ
清い水が届く地下は禊には最適だけれど移動が面倒
やっぱり変えた方が良いのかしらと、扉に目を向けた
瞬間。ぎぃと音を立てて金属の重たい扉が彼方から開く
しかし部屋の暗闇は変わらず、人影は微かにしか見えない
訳も無く私は酷く冷静で、桶の水を頭から被った
じんじんと痺れるまで冷えた指先には慣れたもので
波紋をつくる私の髪から滴る水をぼんやりと眺めると
そそるねぇ、と。私の知らない低い声が空気を揺らした
「ねぇ貴方。父様は苦しんでおられたかしら」
「…いいや、一瞬さ。俺達に気付く様子も無かった」
「私が最後?申し訳無いし、悲しいわね」
「仕形ねぇだろ。地下があるなんぞ知らなかった」
「将を射んとすれば先ず馬を射よ。この諺は嘘かしら」
「嘘って訳じゃあねぇが俺の流儀にゃ合わねぇ」
なら良いわ。私が言えば興味無さげな返事が返る
剥き出しの洞窟のような床に裸足が吸い付くように
ひたり、と音を立てて私が冷たい水から上がり立つと
つい先程迄の無気力な雰囲気とはがらりと変わった男が
私の左胸に鋭く尖った苦無をまるで脅すように軽く当てた
えらく落ち着いてんな、怖くねぇか?と男が問う
確かに見知らぬ暗殺者とここまで普通に会話するのは
普通に考えれば可笑しいのだということは分かっている
けれど喚こうと泣こうと怯えようと変わらないだろう
それで見逃してくれる程優しくない癖に。そう告げると
男はくつくつと喉を鳴らして笑いながら、違いねぇと一言
「父様は御世辞にも善い方とは言い難かったから
こうなるのは分かっていたの。覚悟と呼べないけれど」
「流石。男の暗殺者は殺す女の操を奪う奴もいる
最後に楽しもうってな。あんたはそれも分かってたか?」
「そう、知らなかったわ。別に良いのだけれど
こんな貧相な体で良ければ死ぬ前に幾らでもどうぞ」
長襦伴の結び目を解いていつでも脱げるようにすると
男は自ら言い出したにも関わらず驚いていたようだった
苦笑いを浮かべて、自分は大事にしろよなんて
彼、今から自分が殺す女に何を言っているのかしら
幾ら今更大切にしたって殺されてしまうというのにね
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アホ毛50% - 遊莉さん» ノアは望むもの手に入れる為なら何でもすると思ふ (2016年7月4日 20時) (
レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
遊莉(プロフ) - アホ毛50%さん» 甘酸っぱくはねえな (2016年7月4日 19時) (レス) id: 4bcfa69d12 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - 遊莉さん» 因みに今日中に続編作るから見てくれるとうれぴぃ…(小声) (2016年7月4日 6時) (レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - 遊莉さん» どうや?甘酸っぱい()片想い書いたよ!!!(自棄)我ながら、このあと夢主ちゃんはどう生きていくんですかねぇ… (2016年7月4日 6時) (レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
遊莉(プロフ) - アホ毛50%さん» あーーアホ毛………ヴっしんどい………なんかさあ…アホ毛と趣味性癖がかなり一致しててさあ…リア友ならドン引きされることでも平然と言えるから…すき……とにかく神田ユウはやばかったです… (2016年7月2日 22時) (レス) id: 4bcfa69d12 (このIDを非表示/違反報告)
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