憐憫／永近英良 ページ21
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私の初恋が死んだらしい
一歩踏み出すと足元の汚泥がぴちゃ、と音を鳴らして
目の前の彼は動きを止める。一体誰だと思っているのか
けれど私だと認識した途端安心したように溜め息を吐いた
ここ、危ないぜと。そう笑う彼に軽く笑い返すと
ぞわぞわと背筋を這う感覚、目元に少し力が入って
ずる。蜘蛛の足のように珍妙に細いそれが腰から出る
目を見開く彼に、ねぇ怖い?と。訊いてみるとまた笑う
結局、私は彼にとってそんなものだったんだと
自嘲気味に笑ったあと水路の奥を真っ直ぐ指差して言う
「金木くん あっちにいるけど、もう正気じゃないよ」
「それでも行くわ。オレの大事な親友だからな
暗いからよく分かんねぇけどAだろ?ありがとな」
彼は暗に、私のことは黙っていると言っていて
底無しな優しさに涙が出そうになって汚泥に膝を着く
優しくて酷い彼。今もしも私に怯えてくれたなら
化け物と罵ってくれたなら私はきっと救われたのに
せめて貴方が好きだと言うことも許してくれないのに
私が絶対に引き留められないことも知っていて笑うんだ
だって私は、優しい貴方がずっと大好きだったから
私の大好きな優しい貴方は親友を見捨てたりしない
私は知っていて、大好きな貴方を嫌いになれないから
頭に手が置かれる、撫でられる。あったかいな
初めて会ったときと何も変わってないのが嬉しくて
悲しい。ただ毎日大学に行けて、友達と冗談が言えて
カプチーノを淹れられて、それを受け取る彼の手が暖かい
それで十分だった。それ以外望んだりしなかった
それさえも化け物である私には贅沢だったのだろうか
何故たったそれだけが叶わないのだろうか。涙が溢れた
「ヒデくん 意地悪だね…酷い、意地悪……」
「そ。だからこんな嫌な男さっさと忘れてよ
もっと優しいやつとさ、ちゃんと 幸せになれよ」
「……無理だよ。分かってるくせに、……」
にか。少年らしい笑みで笑うと彼は走って行く
泣いて怒って縋っても、彼は笑って行ってしまった
あのときの彼の笑みと へどろと血の混ざった臭い
未だ取れない悪臭のついたズボン 吐きそうな涙の味
わんわんと泣き喚いた自分の声 モノクロの眩しい朝日
悲しい哀しい思い出を、私は未だ忘れられないでいる
(ここは水中 心音は聴こえない)
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アホ毛50% - 遊莉さん» ノアは望むもの手に入れる為なら何でもすると思ふ (2016年7月4日 20時) (
レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
遊莉(プロフ) - アホ毛50%さん» 甘酸っぱくはねえな (2016年7月4日 19時) (レス) id: 4bcfa69d12 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - 遊莉さん» 因みに今日中に続編作るから見てくれるとうれぴぃ…(小声) (2016年7月4日 6時) (レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
アホ毛50% - 遊莉さん» どうや?甘酸っぱい()片想い書いたよ!!!(自棄)我ながら、このあと夢主ちゃんはどう生きていくんですかねぇ… (2016年7月4日 6時) (レス) id: 11bcba6a22 (このIDを非表示/違反報告)
遊莉(プロフ) - アホ毛50%さん» あーーアホ毛………ヴっしんどい………なんかさあ…アホ毛と趣味性癖がかなり一致しててさあ…リア友ならドン引きされることでも平然と言えるから…すき……とにかく神田ユウはやばかったです… (2016年7月2日 22時) (レス) id: 4bcfa69d12 (このIDを非表示/違反報告)
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