Extraordinary 2 (ページ47)

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「少し奮発しすぎちゃったかな……」

無職になったというのにね。

自分の能天気さに思わず笑いが込み上げてくる。

今日はなんとなく寄り道をして帰りたい気分だった。

　
　
　

近所のスーパーマーケットから少し歩いてお気に入りの場所にたどり着く。

　
　
木枯らしが吹き荒れる。

うん、やっぱりここは気持ちが──────

　
　

　

　
　
　
目に入った異様な光景に自然と身体が動く。

視線の先のブランコ。

そこの手前で力尽きたように倒れてる1人の少年。

　
　
　
　
　
　
すぐさま駆け寄って声をかけながら顔を覗き込むと、少年はうなされているような表情を浮かべていた。

何か悪い夢でも見ているのだろうか。

　

発作が起きているわけでもないし、至って呼吸も安定していた。

どうやら本当に眠っているだけのようだった。

「……うーん、先週もここで子猫を拾ったばかりなんだけどねぇ」

放って帰るのもなんだか心苦しいものがある。

仕方がない、一旦保護しておこう。

　
　
少年を背負って再び買い物袋を持って歩く。

少年の右の手のひらは血豆だらけで痛々しいものだった。

　
　
うん、なんだかとても青春を感じるよね。

なんのスポーツをやっているのだろうか。

起きたら聞いてみようかな。

　
　
　
「──────…さ、ん……」

寝言だろうか。少年の弱々しい声が鼓膜を揺らす。

「──────A……さ、ん……今度、こそ、負けない、から……」

はっきりと聞こえた名前に微かに身体が反応する。

ああ、この子はもしかして……

　

　
　
　
　
　
　
　
　
　
あ、しまった。

　
　

　
　
　
　
　
　
　

　
　

　
　
　

　
　
カフェオレ、買うの忘れた。

　

　