Extraordinary 2 (ページ43)

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条件② ページ43

ユンギside
　
　
　
　
今日はいつもより少し遅い時間に登校した。

……何故かって？

皿洗いをしてたからな。

たかが皿洗い、と思うかもしれないがうちの皿洗いは一般家庭のとは訳が違う。

３０人ぐらいの奴らが使った皿を日替わりの当番が洗う。

だいたい1人3枚ぐらい使うから……まあ、90枚か。

はっきり言ってアルバイトだ。

金もらったって文句は言われないだろう。

　

朝からふやけた手で遅刻ギリギリの5分前に教室にたどり着く。

こんな時間ってのもあって、ほぼ全員が席に着いていた。

……が、しかし

俺の横とその前の席だけが空いていた。

今朝、あいつが下手な化粧をして出て行ったのを確かに見たのに。

……どうなってんだ？

　
　
　
　
　
数秒考えてみたがすぐに辞めた。

こいつに聞いた方が多分早い。

「おい、ナムジュン。2人なんでいないんだよ」

問いかけに反応して、飄々とした顔で振り向いた。

「……さあね、どこに行ったんだろうなぁ」

「お前……知ってんだろ」

ナムジュンの含んだ態度に微かな苛立ちを覚える。

「はは、やっぱりユンギは鋭いなぁ。……わかったよ、後でちゃんと話す」

そういうとナムジュンは白けるのをやめて項垂れた。

　

「ああ、でもそのかわり１つ条件がある」

「……めんどくせぇな」

「まあ、怒んなって。……今日の昼、運動場のジャングルジムで昼飯を食べるって言う条件だ」

……は？ジャングルジム、だと？

「……付き合ってらんねぇわ。猿かお前は」

　
　

「言うと思ったよ。別に俺もそこで食べたい願望があって行くわけじゃない。そこでいつも昼飯を食べてる奴がいてね」

何処ぞの変態だ。

「……気になるだろ、話してみたくないか？」

……正直、ほんの少しだけ興味が湧いた。

「ああ、ちなみにその人の名前なんだけどね…… ────────」

─────…………

　
　
　

ナムジュンの口から出た意外な人物の名前。

「……ナムジュン、今日の昼飯はパンだな。あんなところで両手が塞がるものなんか食ってられねぇわ」

「うん、すぐに売店で買って行こう。もちろん奢るよ」

授業なんかどうでもよかった。

昼休みがただ、待ち遠しい。

　

　
　
　
　