Extraordinary 2 (ページ29)

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傘ページ29

　
　
　
　
　

　
　
　
　
降り注ぐ雨に抵抗することなく、身体は徐々に体温を奪われていく。

そんなことさえもどうでもよく思えてしまう。

全身が気怠くて、鉛を背負っているようだ。

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　

　
　

『……なに?』

突然私に覆いかぶさる影。

誰かが差し出した傘によって遮られる雨粒。

　
　
　

　
　

　
　

　
　
　
　

　

　
　

「……雨も滴るいい女ってところかな」

　

　

傘の持ち主からキザな台詞が飛び出してきた。

　

　

『……それ、たぶん使い方間違ってますよ』

傘の持ち主がクスクスと笑った。

「こんな状況下でも強気なところがまた魅力的だね。真後ろにおじさんが立っているのに怖くないのかい？」

　

　
　

　

おじさんって……

そんな歳でもないじゃない。

　

　
　

　
　

　

「久しぶりだね、Aちゃん」

そう言って傘の持ち主は私の正面に回り込んで腰を落とした。

　

　

　
　
　
　

　
　

　

飄々とした雰囲気と優しげな甘いマスク。

　
　

　
　
　

手に持っている買い物袋の中には甘ったるいカフェオレ。

　

　

　

　
　

　
　

自称、ユンギの友達。

　
　
　

　
　

　
　

　
　

　
　

　
　

『……ジンさん』

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　