Extraordinary 2 (ページ27)

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私の過去ページ27

　
　
　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
そう、そこにいたのは

紛れもなくジョングク君だった。

スポーツマンシップを持っているはずの彼が

こんなことするなんて信じたくはなかったけど。

中体連で会場内の女子たちの視線をかっさらって憎たらしいほどに華麗なラケット捌きをしていたジョングク君だった。

一体なぜ……彼はこんなことを───……

『ちょうど良かった。あなたには聞きたいことがあったから』

「……あぁ、ミサンガのことですか？それはちゃんと受け取っておきましたよ」

目が笑っていなかった。

『……そうね。カノンも受け取ってもらったって言ってたわ。でも……』

絶対にそれだけではない。

何かあったとしか思えない。

ゆっくりとブランコから降りたジョングク。

彼の口が開くのをじっと待った。

「交換条件、を提示したんです」

『……交換条件？』

「Aさんと勝負させてくれるなら貰いますと」

『何でそこに私が出てくるの？』

「とぼけないでくださいよ」

「元、アジアジュニア選手権の王者さん」

懐かしい昔の肩書きに戸惑いを隠すことができなかった。

あぁ、なるほどね。

久しぶりに出会ったかもしれない。

私の過去を知っている人物。

『……そんなこと、よく覚えてくれていたのね。ありがとう。……でも、残念ながらその人はもうどこにもいないよ』

「……そんな、こと？」

彼が纏う雰囲気が一変した。

目を見開いて力越しに肩を掴まれた。

「……ふざけんなよっ、僕はあんたと約束を果たすためにここまで来たんです！……のに、なのに、あんたは……っ！」

頭二つ分ほど身長が高い彼を見上げると、悔しそうに涙を滲ませていた。

対して私は……

彼の言う"約束"がわからなかった。