Extraordinary 2 (ページ23)

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中体連⑮ ページ23

　
　
　
名残惜しい気持ちを押し殺して医務室を後にした。
　
　
　
　
　
　
時計を見るとすでに小一時間は経っていた。

　
ユンギは思ったよりも元気そうだったから安心してはいるけども。
　

　
　
親友の様子がどうも気になって仕方がなかった。
　

私の直感はよく当たる。
　

　
　
　
　
　

　

　
　
階段を爆走してバドミントン会場に向かうと、2階の観戦席で1人座る親友を見つけた。
　

　
　
　
『カノン！！』

大声で名前を呼んで駆け寄ってみたけれど、反応がない。
　

　

というか、会場内の声援が大きすぎる。
　
　
　
　
先ほどのバスケット会場とはえらい違いだ。
　
　
　
　
　
　
　
なんでこんなに声援が………

　
　
　
　
　
ん……？
　
　
　
　
　
一際大きい声援。

　

　
　
これを受けているのは
　
　
　
きっと。
　
　
　
　
　
すぐさま観戦席の柵から身を乗り出して試合が行われているコートを見た。
　
　
　
　
　
『やっぱり……』

試合をしていたのは他の誰でもない。

　

ジョングク君だった。
　

やはり彼は強かった。
　
　
　
　
すでに1セットを取得しており、2セット目が行われていた。
　

得点を取るたびに聞こえる黄色い声援。
　
　
　
　

　
　

憧れのジョングク君が試合に出ているというのに

カノンの様子は午前中とは明らかに異なっていた。
　
　
　
席に戻って、親友の横に腰を落とした。
　
　
　
『……ねえ、カノン。何かあった？』

するとカノンはゆっくりと私の方を向いて焦点を合わせた。
　
　
　
　
「……あ、A戻ってきてたんだ。ごめん、気づかなかった」

声すらも弱々しいカノンに冷や汗が背中を伝う。
　
　
　
　
「……どうだった？ユンギにちゃんとミサンガ渡せた？」

『うん……渡せたよ』

「そっかあ……。うん！良かったじゃん！」

そう言って軽く伸びをしたカノン。
　
　
　
　
　
『ありがと。……あの、カノンは？』
　
　
　

　
　
問いかけに対し、沈黙したカノン。
　

　

ああ、やっぱり……

直感が当たったのかな。
　
　
　
　
　
　
「……ミサンガ、渡せた、よ」

「え……？」

渡せたの？

　
　
やったじゃん。一生懸命作ってたもんね。

　
　

でも……

渡せたはずなのに、なんでそんな辛そうな表情してるの……？

　

　