Extraordinary 2 (ページ22)

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中体連⑭ ページ22

　
　
　
　
　
　
　
　
「おい、戻ったら部員どもに言っといてくれ。明日の部活は休みにするから」

エース、ユンギ先輩の口から出た言葉に驚きの表情を見せた後輩君。
　

　

　
「や、休み……ですか？？ユンギ先輩、相当頭を強くぶつけたんですね……」

「……お前も言うようになったな」

「いえ！決してそんなつもりでは……」

「……頑張った褒美に特別休暇をやるって言ってんだよ。
まあ、嫌なら……今から学校戻って走り込みでもするか」

　

　
　
　
「ユンギ先輩から休暇の文字が出てくるなんて……！！
い、今すぐ戻らさせていただきます！撤回はなしですよ！では、お大事に！！」

そう言って後輩君は風の如く足早に医務室を後にした。
　

　
　

それにしても……

『ねぇ……普段どんな鬼っぷりを発揮してるわけ？後輩君のテンパリ具合が異常なほどだったんだけど』

「別に至って普通のメニューしか指示してねぇよ。まあ、夏場は倒れるやつ続出するけどな」

まったく、こんなご時世で訴えられないのが逆に不思議なくらいよ。
　

『……あ、私そろそろカノンのところに戻らなきゃ。ごめん、本当は側にいてあげたいんだけど……』

「長居させて悪かったな。俺はもう少し寝てから行くわ」

そう言って再び横になったユンギ。

『うん、ゆっくり休んで行きなよ。
あ、あと……ユンギ。あの、これ……なんだけど、』

ようやく、渡すことができた。
　

　
　
　
『本当は試合の前に渡したかったんだけど……。遅くなってごめん……』

　
ミサンガを差し出して深々と頭を下げた。
　

　

　

　
すると、ユンギは無造作に左手を私の前に突き出した。

　
　

　
　
　
「リストバンドも何も巻いてねぇから、ちょうど手首が寂しいと思ってたところだ。
それ、結んでくれよ」

『ユンギ……、受け取ってくれるの？』

「彼女が作ったものを受け取らない理由がないからな」

そう言ってユンギは、そっぽを向いた。

　
　
　
彼女、かぁ。
　

なんだかまだ、くすぐったい。

　
でも、すごく嬉かった。
　

　

幸せを噛み締めながらユンギの白い手首にゆっくりとミサンガを結んだ。

　
　
　
　
　

　
　