・ ページ5
・
JK「あ、A」
『…なに?』
JK「その、忙しいならいいんだけど」
『忙しくないからいいよ』
自分から話しかけたくせにおどおどしてたジョングクは、私の返事にぱっと顔を明るくした。
図体がでかくて、テヒョンさんやジミンさんの前じゃ生意気で、ハヨンの前ではオッパぶってるくせに、私の前じゃただのガキだ。
うさぎの、ガキ。
JK「次の新曲なんだけど、ここの部分、Aならどうやって歌うかなって」
『………なんで私?』
JK「え?い、いまさら?」
ジョングクの中には練習生のころから友達枠な私がいるみたいで、それはもう歌に関しては頼ってくる。
ずっとそうだ。
デビュー曲も、その次も、私が曲を出さなくなって、新曲が貰えなくなって2年が経っても、自分の人気が私を超えても、いやはるか前に超えてるか、デビューした時点で。
ずっと、こうやって私を頼りにする。
JK「いや、だって、ここで1番歌上手いのAじゃん」
JK「トレーナーさんの前じゃ大きな声で言えないけどさ」
腹が立つ。
腹が立つのに、何も言えない。
何もできない。
『歌詞見せて』
JK「はい!」
大きな目をキラキラ光らせて、書き込みがいっぱいされた紙を差し出して、私の隣に身を滑らせるようにして座った。
『…私と、制作側の解釈が違ったらごめんだけど』
JK「ええ?今まで違ったことないじゃん、別に保険かけなくていいのに」
『うるさい』
JK「ごめん」
ジョングクの、新曲。
ボーイズグループの、新曲。
こいつら前にカムバックしたの、いつだっけ。
半年、とか?
もうちょっと前かな。
私、2年、活動してないのに。
ジョングクたちには、ハヨンたちには、新曲が与えられて、世に出さない曲だっていっぱい貰ってる。
考えるな。
惨めになるだけだ。
私、いつまで、ここにいられる?
いつ、クビをきられる?
いつ、いらないと言われる?
HY「オッパ!なにしてるの?」
JK「お、ハヨン」
可愛げもない、不安だ。
・
1011人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
哺乳瓶(プロフ) - 最高の2024年が始まってしまった…更新してくださりありがとうございます (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 0a8c73e852 (このIDを非表示/違反報告)
ss17(プロフ) - え、来ちゃった?!!!かわいい!すき!!! (12月30日 11時) (レス) @page19 id: 201cd60e21 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - え、もう、え、好き(語彙力) (12月29日 1時) (レス) @page19 id: d58a271092 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:文鳥番長 | 作成日時:2023年10月20日 23時