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私は歌なんか好きじゃないんだよ。
他とは違うって、優越感に浸っていられるのが歌だっただけで。
もし私の才能が絵を描くことなら、画家になった。走る才能があったなら、陸上選手にでもなった。
歌手になんかならなかった。
ジョングクは勘違いしてる。
私は歌を続けたんじゃなくて、ただ、ユンギさんの歌を世間に広めるための道具なんだ。
正直歌が上手いならユンギさんは私以外の歌手だって選んだ。
ユンギさんも私と同じぐらい歌えたら、自分で歌って私なんか選ばなかった。
私はスピーカーなんかと同じだ。
曲を流すだけの、広めるだけの、ただの、ユンギさんの夢への、媒介道具。
なのになんでそんなに喜ぶの。
私が歌を出すってだけで、なんでそんなに喜ぶの。
なんでそんな楽しみにするの。
なんで、私が自分の歌声を貶しただけでそんなに苛立ちを隠さないの?
なんで、怒るの。
なんで。
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結果、ユンギさんの作った、私のカムバック曲は超超超スーパーメガヒットを記録した。
ジョングクはダイナマイト級だ!って喜んで、未発表の「Dynamite」って曲を歌ってくれた。
ハヨンもプロモーション活動を頑張れるようにって山ほどギフトをくれたけど、正直私へのプレゼントにお金かけすぎだっての。
YG「チャート見た?PAK達成してんのマジおもろ」
『おもんねーんですけど』
バンの中で私の隣に座ってヘラヘラ笑ってるユンギさんにツッコむ余裕もないぐらい私には元気も気力もない。
ウルトラメガヒットのせいで私のプロモーション活動期間はとんでもねぇ長さにされた。
低迷期と長い空白期間の後のヒットだったからか今までの低迷も全部事務所の計画通りだったとか、引退前の最後のカムバックだとか、快進撃だとか、下剋上だとか、復活劇だとか色々言われている。
正直プロモーションが忙しすぎてそんな記事やネットの話を気にする余裕もないので別に好きに言っててくれってわけだけど。
『私ここまでヒットするって聞いてないんですけど』
YG「理不尽にキレんなよ」
YG「俺言ったろ?」
YG「“落ちた新星”なんて2度と呼ばせないって」
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哺乳瓶(プロフ) - 最高の2024年が始まってしまった…更新してくださりありがとうございます (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 0a8c73e852 (このIDを非表示/違反報告)
ss17(プロフ) - え、来ちゃった?!!!かわいい!すき!!! (12月30日 11時) (レス) @page19 id: 201cd60e21 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - え、もう、え、好き(語彙力) (12月29日 1時) (レス) @page19 id: d58a271092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文鳥番長 | 作成日時:2023年10月20日 23時