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ハヨンのグループの、私と同い年の子。
その子が、手のひらを振り上げた時、嫌な汗が流れて思わず体が動いた。
なに、してんの。
何しようと、してんの!
そいつは、うちの会社のメイン商品で。
声だけじゃなくて、ダンススキルだけじゃなくて、スタイルも、性格も、顔も、全部大事なポイントなのに。
あんたも、アイドルなら分かるでしょ。
痣ひとつ、ニキビひとつ、ぜんぶ、価値の急落に繋がるのに。
なに、叩こうとしてんの。
『ジョングガ!!』
私の声が廊下に響いたのは、パチィン!って豪快な乾いた音が鳴った直後だった。
ほんと、鼻差ぐらいの、タッチの差ぐらいの、そんな、差で。
「あ………」
JK「…A」
『…廊下で、喧嘩しないで』
別にそんなこと言うために飛び出したわけじゃないのに。
焦った顔で走り去っていく彼女を見送ったのなら、気まずい空気感が私とジョングクの間に流れる。
JK「…笑わないんだ」
『笑えたら、よかったんだけど』
JK「ごめん」
『……歌ってやればよかったのに』
JK「…………」
『ほんのちょっとでも歌ってやれば、叩かれなかったのに』
JK「俺にだって、意思はあるよ」
JK「歌いたいから歌うの、そうじゃなかったら歌わない」
ああ、そう。
私とは、違う。
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哺乳瓶(プロフ) - 最高の2024年が始まってしまった…更新してくださりありがとうございます (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 0a8c73e852 (このIDを非表示/違反報告)
ss17(プロフ) - え、来ちゃった?!!!かわいい!すき!!! (12月30日 11時) (レス) @page19 id: 201cd60e21 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - え、もう、え、好き(語彙力) (12月29日 1時) (レス) @page19 id: d58a271092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文鳥番長 | 作成日時:2023年10月20日 23時