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YG「お前、俺のこと呼び出す時っていっつもブスッとしてるよな」
『…誰がブスだよ』
YG「違う違う違う、俺がクズみたいに言うな」
ブスってしてるって言ってんの、わかる?無愛想ってことだよ、オーケー?とかなんとか、まるで小学生をあやすみたいに言うから本当にこの人は私の扱いが下手だ。
『なんか歌え』
YG「女王様かよ」
しゃーねーな、って曲を選び始めたユンギさんは、私が急に呼び出して急いできたからかは知らないけど、いつもは真っ白な鼻先と頬がほんのりと赤く色づいていた。
『…急いできたんですか?』
YG「このバカ、イントロ流れた瞬間に話しかけやがって」
ユンギさんは興が冷めたとでもいうようにマイクをテーブルにおいて、室内にはロックバンドとかが歌ってそうなパンクみのあるメロディーが流れる。
似つかわしくないBGMだけど、話しかけたのは私だから、まあ、文句は言えない。
YG「まあ、ちょっとは急いできたけど別にダッシュしてきたってわけじゃねーし」
YG「バイクさみーんだよ。今もう冬なりかけだし、特に」
『へえ』
YG「興味なさげな顔してんじゃねーよ」
どうやら顔が少し赤いのは最近寒いのと、バイクで来たのが原因らしい。
あと、急いできたのが、ちょっとか。
YG「で?今日はどうしたよ」
『……多分うまく話せないんで、言いたいことまとまるまでなんか歌ってください』
YG「はいはい、女王の仰せのままに」
ユンギさんはまた曲を選んで、今度は有名なドラマのOSTだった。
あ、これこの前ユンギさんが自慢してた、ユンギさんが作った曲だ。
ほんと、なんでこんなにすごい人が私のためだけに曲作ってくれんのかな。
クビにした会社ってバカじゃないの、こんな才能のある人滅多にいないのに。
まあでも、殴ったから仕方ないのか。
ユンギさんは私の方を見ずに、ただモニターだけに視線を合わせて、淡々と歌っていた。
淡々と、でも、その心の奥にあるのは、多分きっとそんなに単純なものじゃない。
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哺乳瓶(プロフ) - 最高の2024年が始まってしまった…更新してくださりありがとうございます (1月1日 1時) (レス) @page21 id: 0a8c73e852 (このIDを非表示/違反報告)
ss17(プロフ) - え、来ちゃった?!!!かわいい!すき!!! (12月30日 11時) (レス) @page19 id: 201cd60e21 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - え、もう、え、好き(語彙力) (12月29日 1時) (レス) @page19 id: d58a271092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文鳥番長 | 作成日時:2023年10月20日 23時