挑発 ページ14
それからの日々は、歌仙にとってかなり辛いものとなった。
毎朝審神者の部屋に行って言付けの書かれた紙を取りに行くのだが、それは前よりも業務的で、淡白なものになった。
最も、それは以前から業務的で淡白だったのだが、それに拍車がかかったと実感せざるを得なかった。
「主、この前は‥‥」
言付けが書いてある紙を拾って、歌仙はなんとか審神者にこの前のことを謝ろうとした。
が、それはなかなか上手くいかず、
「今日の仕事はひとまずそれが全てよ。」
今日も毎度のように会話を拒まれた。
ただ、あの日からすでに一週間が経過した今、歌仙は膨らみ続ける罪悪感に、限界を感じていた。
「でも、」
だから、今日は食い下がった。
「行って。」
しかし、今日もダメだった。
今まで戻る途中、長谷部に会った。
「歌仙、主は‥‥」
歌仙は静かに、首を横に振った。
「今日も、謝らせてもらえなかったよ。」
「そうか‥‥」
長谷部は小さくため息をついて歩いていった。
「おう之定。」
「和泉守。」
次に会ったのは、和泉守。
「之定、手合わせしねえか。」
意外な言葉に、歌仙は眉を潜めた。
「君と、僕が、手合わせ？」
「いいじゃねえかたまにはよ。」
「いや、悪いけど僕は今そんな気分じゃ‥‥。」
歌仙がそう言うと、和泉守はニヤリと笑った。
「之定、俺に負けるのが怖いのか？」
ありふれた手口だと、歌仙も思ったのだが、彼も戦う男だった。
同じようにニヤリと笑って、
「君こそ、後悔するんじゃない？」
と言った。
その時の二人の顔は、驚くほどよく似ていたと、鉢合わせた獅子王は言う。
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梅雨月〈つゆつき〉(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます！応援とっても嬉しいです！頑張って更新します！！ (2020年4月12日 22時) (
レス) id: fb62829e36 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - コメント失礼します！めちゃくちゃ尊いです…！無理しない程度で更新頑張ってください！！！！ (2020年4月12日 20時) (レス) id: 6cdbc3727f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅雨月〈つゆつき〉 | 作成日時：2020年4月9日 23時
